【リアル】作業療法士が一般企業に転職して後悔?おすすめしない5つの理由

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作業療法士 一般企業に転職 おすすめしない 後悔

作業療法士として働く中で、「このままでいいのかな?」と悩み、一般企業への転職を考えたことはありませんか?

医療職から企業へ

魅力的に映る一方で、「やっぱりやめておいたほうがよかった」と感じる人が多いのも事実です。

この記事では、

現役で管理職を務める作業療法士の視点から、一般企業への転職をおすすめしない理由を、実体験と他職種のケースを交えてリアルに解説します。

そのうえで、企業に向いている人・向いていない人の違いや、作業療法士としてどんな選択肢があるのかも紹介します。

「今の仕事に迷っているけど、転職して後悔したくない」

OTゆず

そんなあなたにこそ読んでほしい内容です。

この記事を書いた人
  • OT歴15年以上、急性期OT
  • 役職名は、係長
  • 転職歴2回
  • 回復期→在宅→急性期(現在)
  • 2回の転職で年収250万Up
  • 趣味は、パスタ作り
  • @yuzu_ot_reha)
目次

作業療法士が一般企業へ転職する人が増えている背景

近年、作業療法士として働くことに疑問を持ち、一般企業への転職を考える人が少しずつ増えています。

この背景には、OTならではの悩みや、社会環境の変化、そしてネット上の情報拡散が大きく関わっています。

一般企業へ転職する人が増えている背景
  • 現場から離れたいという心理
  • 給料や労働条件への不満
  • SNSやYouTubeの影響による理想化

ここでは、作業療法士がなぜ「企業へ行こう」と思うのか、現場の声とともにリアルに掘り下げていきます。

現場から離れたいという心理

「患者さんのことは嫌いじゃない。だけど、もう現場には戻りたくない。」

そんな言葉を、実際に辞めたOTの方から何度か聞いたことがあります。

  • 忙しすぎて自分の時間がない
  • 上司との人間関係に疲れた
  • 病院特有の空気に馴染めない

このような“人との距離感”や“精神的な疲弊”が、現場から離れる決断の根底にあるケースは非常に多いです。

特に、管理職との関係や職場内のルールに強いストレスを感じていた方は、「もう医療現場じゃなくていい」と思ってしまう傾向があります。

「人と関わるのが好きでOTになったけど、今は人間関係で限界を感じている」

OTゆず

そう感じているなら、それ自体はごく自然な心のサインです。

給料や労働条件への不満

作業療法士は国家資格を持つ専門職であるにもかかわらず、「収入が見合わない」と感じている人は少なくありません。

実際、以下のような不満はよく聞かれます。

  • 昇給が少ない or 頭打ちが早い
  • ボーナスが不安定
  • 残業代が出ない
  • 役職がついても責任だけ増える

一方で、SNSや転職サイトでは「未経験からでも年収500万!」のような一般企業の求人広告が目に入ってきます。

「同じ努力をするなら、もっと評価されたい」
「一度きりの人生だし、医療以外の世界も見てみたい」

そう考えること自体、悪いことではありません。

ただし、

企業と医療職では“報酬の仕組みそのものが違うという現実は、きちんと理解しておく必要があります。

SNSやYouTubeの影響による理想化

最近は、SNSやYouTubeなどで

「理学療法士を辞めて独立!」
「OTを卒業して一般企業に転職して人生変わった」

など、キラキラした情報が目立ちます。

もちろん、そういった働き方が合っている人もいます。

しかし、情報の“見せ方”には注意が必要です。

  • 嫌だったことは書かれていない
  • 辞めた後の孤独やプレッシャーは語られにくい
  • 「やめてよかった!」の裏に、綿密な準備や葛藤がある

ネットの情報は、“ビフォーアフター”の“アフター”だけが強調されがちです。

OTゆず

実際には、転職して理想と違ったと感じている人も少なくありません。

他人の成功談を参考にするのは良いことですが、「自分にも同じように当てはまるか?」という視点は忘れないようにしましょう。

一般企業への転職をおすすめしない5つの理由

「一般企業に転職すれば、もっと自由に、もっと高収入で働けるかも…」

そんな期待を持って一歩を踏み出す作業療法士は少なくありません。

ですが、現実には想像と違っていたという声も多く聞きます。

おすすめしない5つの理由
  • 専門性が活かせずゼロスタートになる
  • 収入が下がる・不安定になる可能性が高い
  • 人間関係や文化のギャップが大きい
  • キャリアの一貫性が崩れやすい
  • 再就職時にマイナス評価されるリスク

ここでは、管理職OTの視点と、実際に転職して後悔した人の声をもとに、なぜ一般企業をおすすめしないのかを5つの理由で解説します。

専門性が活かせずゼロスタートになる

作業療法士として積み重ねてきた臨床経験やスキルは、一般企業では資格外の実務として扱われることがほとんどです。

たとえば…

  • 営業職では売上が最優先
  • 事務職ではミスなくこなす正確さとスピード
  • 人事や広報でも、IT・データ分析・コミュ力など全く別のスキルが求められる

つまり、どんなに優秀なOTであっても、企業では“新人扱い”からのスタートとなります。

しかも、研修体制が整っていない会社も多く、「自己流でなんとかしてね」という文化のところもあります。

その結果、「せっかく積み重ねた専門性が無意味になった」と感じ、再び医療業界へ戻りたくなる方もいます。

👉こちらの記事で詳しく解説。

収入が下がる・不安定になる可能性が高い

「企業=高収入」というイメージがありますが、必ずしもそうとは限りません。

特に未経験・異業種での転職では…

  • 最初は年収300〜350万円スタートが一般的
  • インセンティブや賞与が業績連動で安定しない
  • ベースアップの仕組みが医療職よりも曖昧

また、営業職やベンチャー企業などでは「成果が出なければ給料が減る」ケースもあり、安定した医療職と比べるとリスクの高い報酬体系と言えます。

年収が上がるのは、“結果を出せた人だけ”。

逆に言えば、結果を出すまでのプレッシャーに耐える必要があります。

👉詳しくはこちらの記事へ

人間関係や文化のギャップが大きい

医療・福祉の現場は、「共感」「丁寧なやり取り」「多職種との協働」が基本です。

一方、一般企業の当たり前文化は、

  • 結論ファースト・スピード重視の会話
  • 上司や同僚との距離がフラットではない
  • 成果でしか評価されないドライさ

このような環境に違和感を持ち、

「誰も感情で動いてくれない」
「会議がビジネス用語ばかりで疲れる」

と感じるOTは少なくありません。

特に、営業や外資系のような結果主義の職場では、“人のために”が通じにくい風土に戸惑いが出やすいです。

キャリアの一貫性が崩れやすい

OTとしてのキャリアは、診療報酬や施設基準など“積み上げ型の評価”が基本です。

  • 何年経験があるか
  • どんな疾患や対象を見てきたか
  • チームの中での役割

これらは、転職時や昇進時にしっかり評価されやすい特徴があります。

しかし、一度医療職から外れると、その“積み重ね”がリセットされる危険性があります。

そして再びOTとして戻りたくなったとき、

「ブランクがある」
「臨床感覚が戻らない」
「面接で不利になる」

といった壁に直面する人も少なくありません。

再就職時にマイナス評価されるリスク

「やっぱり医療職に戻りたい」と思ったとき、必ずしもスムーズに戻れるとは限りません。

  • 一般企業にいた間のブランクが気になる
  • 採用側から見て“なぜ戻りたいのか”が疑問になる
  • 「また辞めるかもしれない」と思われる

このように、

職歴に一貫性がない=定着しにくい人と見なされることもあります。

特に、病院や施設はチームワーク重視のため、「長く続けてくれそうか?」という点を強く見られます。

OTゆず

キャリアを一度リセットしてしまうと、再構築には時間と努力が必要なのです。

それでも一般企業が向いている作業療法士の特徴

一般企業への転職にはリスクがあることをお伝えしてきましたが、だからといって「絶対やめるべき」と言いたいわけではありません。

実際、企業に転職してイキイキと働いている元OTもいます。

一般企業が向いている人の特徴
  • 医療にこだわりがない・別の適性がある
  • 自分の軸や目的が明確にある
  • 医療職に限界を感じている


ここでは、「向いている人の共通点」を3つの視点から解説していきます。

医療にこだわりがない・別の適性がある

最も大きなポイントは、「作業療法に強いこだわりを持っていない」ということです。

  • 「人と関わる仕事は好きだけど、医療である必要はない」
  • 「実は数字に強くて、分析やマーケティングにも興味がある」
  • 「チーム医療よりも、個人で完結する仕事のほうが得意」

このように、“作業療法士”という枠に自分を縛っていない人は、企業の中でも柔軟に適応できます。

特に以下のような業務に適性がある人は、企業の中で活躍できる傾向があります

適性向いている職種
プレゼン・会話が得意営業・広報・講師系
論理的に整理するのが得意企画・データ分析
コツコツ作業が得意事務・編集・制作職

医療以外のスキルを自覚していて、

そこに挑戦してみたいという気持ちがある方には、企業というフィールドは新たな可能性を広げてくれるかもしれません。

自分の軸や目的が明確にある

成功している人に共通するのが、「なぜ企業に行きたいのか」が明確であることです。

  • 「将来は教育系の事業を立ち上げたいから、マーケティングを学びたい」
  • 「OTの経験を活かして、リハ業界向けのサービス開発に携わりたい」
  • 「家族との時間を大切にしたいから、時間の融通が利く働き方を目指したい」

このように、自分なりの目的やゴールが定まっている人は、

  • 途中で揺らがず
  • 環境に飲まれず

前向きにキャリアを築いていける傾向があります。

逆に、「なんとなく現場がつらくて逃げたい」という気持ちだけで転職を決めてしまうと、次の職場でも同じ不満を抱えてしまうことになりかねません。

医療職に限界を感じている

現場の限界を感じている人、

たとえば以下のような気持ちを抱えている方は、あえて企業という道を選ぶことが意味のある転機になる場合もあります。

  • 「臨床ではどうしても自分の力を出し切れない」
  • 「もっと大きなスケールで社会に貢献したい」
  • 「医療制度に縛られず、自由な発想で働きたい」

このような思いを持っている人は、企業に行ったからこそ「やっと本当の自分で働けた」と感じることがあります。

もちろん、その裏には

準備・努力・自分を見つめ直すプロセスがあることも忘れてはいけません。

ですが、“自分の価値観に正直に生きたい”という強い気持ちがあるなら、企業という選択肢も十分アリなのです。

👉 詳しくはこちらの記事へ

一般企業に転職して後悔した作業療法士の声

作業療法士としてのキャリアに悩み、

一般企業に飛び込む決断をした方の中には、「やっぱりやめなければよかった…」と感じている人もいます。

ここでは、そうした後悔の声をいくつかのテーマに分けて紹介します。

仕事内容にギャップを感じた

転職後、まず多くの人が感じるのが「思っていた仕事と違った」というギャップです。

たとえば、

医療・福祉の現場では「人のために」という価値観がベースにありますが、一般企業では“利益”や“数字”が最優先になることも少なくありません。

ある元OTの方はこう話しています。

「法人営業に転職しましたが、クライアントとの信頼関係よりも売上目標の数字が絶対でした。誰かの生活を支えるという意味合いが薄く、やりがいを感じにくくなってしまったんです。」

このように、

仕事の“意味”や“やりがい”にこだわりがある人ほど、企業での業務内容にモヤモヤを感じやすい傾向があります。

待遇や人間関係に違和感

一般企業に行けば年収が上がるというイメージを持っていた方も、現実とのギャップに直面することがあります。

  • 残業代がつかない固定給
  • ボーナスが業績に左右される
  • 昇給や昇進の基準が不明瞭

こうした不満に加え、人間関係の文化の違いに苦しむケースもあります。

「“お疲れさまです”すら言わない空気に最初は驚きました。効率重視なのは理解してるけど、温度感の違いにずっと馴染めませんでした。」

医療現場では当たり前の

  • 声かけ
  • 気遣い
  • チームの連携

が、企業では意外と“非効率”とされがちです。

OTゆず

そのギャップに戸惑い、自信をなくしてしまう方もいます。

「戻りたいけど戻れない」と感じる苦しさ

転職を決断した時点では、「ダメなら戻ればいい」と思っていた方も多いかもしれません。

しかし実際には、以下のようなハードルが待っています。

  • 「なんで辞めたの?」という目線を感じる
  • 採用担当にブランクを不審に思われる
  • 臨床感覚が鈍っていることへの不安
  • 再就職後も「また辞めたくなるのでは」と思われる

ある30代の元OTはこう語っています。

「戻りたくても、もう“新卒感覚”で医療現場には入れません。自分の経験をゼロにして再スタートする気力が、正直わきませんでした。」

特に30代以降になると、キャリアの軸のぶれが再就職に響いてくることもあります。

「企業が合わなかった」だけで終わらず、

OTゆず

その後のキャリア形成にも影響を残してしまうリスクは、あらかじめ認識しておくべきです。

医療職を活かしたキャリアの選択肢もある

辞めたいOT

もう病院では働きたくない

悩むOT

でも、OTを辞めるのはもったいない

そんなふうに揺れる気持ちを持つのは、とても自然なことです。

実は、作業療法士のキャリアは臨床現場にとどまらず、さまざまな広がり方があることをご存じでしょうか?

OTとしての専門性を活かしながら、働き方を変えていくための現実的な選択肢を紹介します。

企業に行かずに自由と収入を上げる道もある

「企業に行く=自由」ではありません。

実は、医療職のままでも働き方を見直すことで、自由度や収入を上げることは可能です。

たとえば以下のような選択肢

働き方特徴
訪問リハ(非常勤・フリー)高単価/時間の融通がきく/自分の裁量で動ける
複数施設掛け持ち収入の安定+職場環境の分散でストレス減
フリーランスOT(講師・監修・執筆など)専門性を活かしながら発信/副業からでも可能
起業(健康事業・高齢者支援など)OTスキルを活かしたビジネス展開が可能

特に訪問リハビリの分野は、制度的にも報酬単価が高く、自分のペースで働きたい方にとって魅力的な環境になっています。

OTゆず

私も訪問リハで勤めていました♪

また、最近ではSNS・ブログ・オンライン講座などを活用して、「OT+副業」で自分の可能性を広げている方も増えています。

👉こちらの記事で詳しく解説。

転職ではなく“働き方”を見直す選択

多くの人が「職場を変える」ことで状況を改善しようとします。

でも実は、「働き方のスタイルを変える」だけで、かなりの改善が見込めるケースも多いのです。

  • 常勤から非常勤+副業へシフト
  • 週5→週4勤務にしてバランスを取る
  • 職場はそのままで、発信や勉強会活動を始める

「場所を変える」のではなく「やり方を変える」という視点を持つことで、

経験やスキルを無駄にせずに、自由と充実を同時に得ることができます。

OTの経験を活かせる分野を探す重要性

OTゆず

今の病院では限界かも…

と感じたときに考えてほしいのが、“場所を変える”だけでなく、役割を変えるという選択肢です。

例えば、

  • 教育・研修担当として新人育成に携わる
  • 在宅医療や地域連携のコーディネーターになる
  • 地域包括支援センターなど行政的なポジションに転職する
  • リハビリ特化型デイや自費リハビリ施設での実践

これらはすべて、OTのスキルを活かしつつ、病院とは異なる視点で貢献できる領域です。

大事なのは、「OTを辞める」か「そのまま続ける」かの二択ではなく、

OTゆず

どうOTであり続けるかという視点を持つことです。

まとめ|作業療法士が企業に転職する前に考えるべきこと

作業療法士が一般企業へ転職するという選択肢は、たしかに以前より身近になっています。

ただし、

医療職とは大きく異なる価値観や評価基準、働き方に戸惑い、思わぬギャップに苦しむ人も少なくありません。

  • 専門性が活かしにくい
  • 収入が安定しない
  • 人間関係や再就職での不利

など、一般企業には見えにくい“”が存在しています。

一方で、

なぜ企業に行きたいのか」が明確で、自分の強みや目的を理解している人であれば、別のフィールドで活躍できる可能性もあります。

だからこそ、まずは医療職の中で「働き方を変える」選択肢も含めて、自分の可能性を整理することが大切です。

もし転職そのものに迷いがあるなら、

PTOTSTワーカーやレバウェルリハビリなど、作業療法士専門の転職支援サービスを使って、客観的なアドバイスを受けるのもおすすめです。

OTゆず

焦らず、あなたらしいキャリアを一緒に見つけていきましょう。

👉 詳しくはこちらの記事へ

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