
もう限界かもしれない



作業療法士を辞めたい…
そう思うほど追い詰められ、うつのような状態になっている方も少なくありません。
人間関係のストレスや膨大な業務量、将来への不安が重なれば、心身が壊れてしまうのは当然のことです。
そんなときは、無理に頑張り続ける必要はありません。
今の職場から逃げることは、
決して弱さではなく、自分を守る大切な選択です。
私自身もうつ状態になりかけて辞めたいと思った経験があり、逃げることで救われた部分がありました。
この記事では、
作業療法士が「辞めたい」「うつでつらい」と感じる理由や、すぐに取るべき行動を解説します。
さらに、私の体験談や辞めた後の選択肢も紹介します。



あなたの人生は仕事よりも大切です。まずは「逃げてもいいんだ」と知って、安心して読んでください。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
- 2回の転職で年収250万Up
- 面接対策・転職ノウハウを発信
作業療法士を辞めたいと思うときに多い理由


「辞めたい」「もう続けられない」と感じるOTには、
いくつか共通する原因があります。
特に精神的に追い詰められやすいのが、次の4つです。
人間関係のストレスで限界を感じる


- 上司や同僚との不和
- 看護師や医師などの多職種との人間関係
- 患者・家族とのコミュニケーション
日本作業療法士協会の報告では、
約4割のOTが人間関係の悩みを抱えている
引用元:作業療法白書2021
と報告されています。
私自身も上司との価値観の違いに苦しみ、出勤前から気持ちが沈んでしまった経験があります。
人間関係のストレスは、うつ状態に直結しやすい大きな要因です。
業務量が多く心身が疲弊する


- 1日の担当患者数が多すぎる
- 記録、カンファレンス、委員会活動で残業が続く
- 休憩が取れない日が多い
私も訪問リハ時代、
1日6〜7件を回り、家に帰ってからも記録整理…という日々が続きました。



疲労が蓄積すると「辞めたい」という思いは強まります。
給料が低く将来に不安を感じる


- 平均年収は約420万円(厚労省「賃金構造基本統計調査2021」)
- 日本の全労働者平均(約490万円)より低い水準
- 30代以降、家庭を持つと経済的不安が増大
「このままの給料で大丈夫?」という不安は、
精神的な負担となり、転職や離職を考えるきっかけになります。
理想と現実のギャップに苦しむ


- 「患者さんに寄り添うリハビリ」が理想
- 実際は加算要件や病院経営に振り回される
- 十分な時間を確保できず、やりがいを失う
「こんなはずじゃなかった」
理想と現実のギャップが大きいと虚無感が募り、やりがいを失ってしまいます。
これもまた、精神的な疲弊につながる大きな要因です。
うつ病になるほどつらいときの対処法





もう無理かもしれない…



朝起きるのがつらい…
そんなときは、すでに心が限界に近づいています。
作業療法士は責任が重く、人間関係や業務量によるストレスが心を追い詰めやすい仕事です。
ここでは、うつ状態のときに取るべき具体的な行動をまとめます。
医師に相談して診断を受ける


まずは専門家に相談することが最優先です。
- 心療内科や精神科を受診し、診断を受ける
- 必要であれば薬物療法やカウンセリングを受ける
- 「病気」として診断されることで、職場や周囲に理解を得やすくなる
厚生労働省の調査では、
日本のうつ病の生涯有病率は、6.5%から7.5%程度と報告されており、100人に6人から7人以上が経験する可能性がある
引用元:厚生労働省調査
と報告されており、決して珍しいことではありません。



医師に相談することで、心が少し軽くなることも多いです。
休職や働き方の変更を検討する


診断を受けたら、無理に働き続ける必要はありません。
- 医師の診断書をもとに「休職」を申請する
- 配属変更や勤務時間短縮を相談する
- 職場に戻るのが難しい場合は転職を前提に休養する
私の同期PTも、うつ状態で数か月休職しました。
最初は「迷惑をかける」と悩んでいましたが、
結果的に休むことで回復し、その後は別の職場で元気に働けています。
信頼できる人に気持ちを打ち明ける


一人で抱え込むと、症状は悪化しやすいです。
- 家族や友人に率直な気持ちを話す
- 職場の信頼できる同僚に相談する
- カウンセラーや支援団体を利用する
話すだけでも気持ちが整理され、
「自分だけじゃない」と思えることが心の支えになります。
転職活動を早めに始める


「この職場では回復が難しい」と感じる場合は、
転職活動を早めに始めることも選択肢のひとつです。
- 在職中でも転職エージェントに登録できる
- 自分の希望条件に合う求人を探すだけでも安心感につながる
- 「辞めても行き先がある」と思えるだけで気持ちが軽くなる
特に精神的に追い詰められているときは、一人で情報を集めるのは困難です。



転職サイトのキャリアアドバイザーに相談すれば、安心して次の一歩を踏み出せます。
私の体験談:作業療法士を辞めたいと思ったとき


ここからは、私自身が「辞めたい」と思った経験についてお話しします。
専門的な情報だけでなく、
リアルな体験談が同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです。
人間関係に疲れてうつ状態になりかけた話


私が最初に「辞めたい」と強く感じたのは、回復期病院で働いていた頃でした。
- 毎日21~22単位、週108単位を達成しないと責められる
- 定時以降にカルテ記載、ミーティング
- 先輩・上司からのパワハラ指導
- 毎日21~22時の帰宅
今のご時世ではあり得ませんが、本当にやばい職場環境でした。
出勤前から気分が落ち込むことが増えていきました。
- 「怒られるかもしれない」
- 「また指導されるかも」
と思うと、通勤電車に乗るだけで動悸がしたこともあります。



これは、今振り返ればうつ状態に近いサインだったと感じています。
辞めるかどうかで悩んだときの心境


「このまま続けるべきか、それとも辞めるべきか」
その狭間で長く揺れ動きました。
- 辞めて他の職場で通用するのか
- 次の職場でも同じことが起きるのではないか
- 「逃げた」と思われるのではないか
頭の中で何度も繰り返し考えては、
余計にストレスを感じて疲れてしまいました。
ただ、ある日「このままでは本当に体を壊す」と気づき、まずは上司に正直に相談することを決めました。
職場を変えて気持ちが楽になった経験


結果的に、私は職場を変える決断をしました。
転職活動を進めるなかで「今の職場じゃなくても働ける場所はある」と分かり、
気持ちが少しずつ軽くなっていったのを覚えています。
転職後は人間関係のストレスが大幅に減り、
「患者さんと向き合う時間」を取り戻せました。



あのまま我慢を続けていたら、きっと本当にうつ病になっていたと思います。
この経験から学んだのは、
「環境を変えることも大切」ということです。無理に我慢する必要はありません。
余談ですが、
私の同期は今現在も同じ職場で勤めています。
10年前に私が辞めたいと思ったときの気持ちや不満を持ち続け、今も働いています。



「外にはもっといい職場はあるよ」って伝えても、動かない。本当にもったいないです。
作業療法士を辞めた後の転職先の選択肢


「もう限界」「辞めたい」と思ったときに気になるのは、その後どうするかです。
ここでは作業療法士を辞めた後の代表的な転職先を整理して紹介します。
作業療法士として続けられる職場


辞めるのは「職場」であって、「職業」ではない
こう考えると選択肢はぐっと広がります。
- 訪問リハビリ:自分のペースで働ける、件数制で収入アップの可能性も
- 回復期病院:患者とじっくり関われる環境、リハ職が多く連携しやすい
- 老健やデイケア:勤務時間が安定、残業が少ないケースが多い
同じOTでも職場を変えるだけで、
「人間関係・働きやすさ・残業の有無」が大きく変わります。
作業療法士の知識を活かせる職場


臨床以外でも、作業療法士の知識は活かせます。
- 福祉用具メーカー(企画・営業・アドバイザー)
- 医療機器メーカー(インストラクター・営業)
- 教育分野(専門学校の教員、研修講師)
「臨床から離れたいけどOTの知識は使いたい」
という方に向いています。
一般企業への転職はどうか


「完全にOTを辞めて一般企業に…」と考える方もいます。
しかし、データを見るとリスクは大きいのが現実です。
- 作業療法士の平均年収:
→約420万円(厚労省「賃金構造基本統計調査2021」) - 一般企業への異業種転職初年度年収:
→約320万円(doda調査2022)
つまり、収入面では大きく下がる可能性が高いのです。
また、専門性を活かせないため「結局戻りたい」と後悔する声も多く聞きます。
私も転職活動中に一般企業の求人を見ましたが、
OTとしての経験が評価されることは少なく「未経験扱い」でのスタートばかりでした。



実際に挑戦するにしても、慎重に考える必要があります。
作業療法士が後悔しない転職をするために


「もう辞めたい」「うつで限界」という状態のときほど、
焦って行動してしまいがちです。
しかし、そのまま勢いで転職すると後悔につながることも少なくありません。



ここでは、失敗しないためにやっておくべきポイントを整理します。
辞めたい原因を整理する


まず「辞めたい」と思った根本原因を明確にしましょう。
- 人間関係のストレス
- 業務量の多さ
- 給料の低さ
- 理想と現実のギャップ
原因によって取るべき行動は変わります。
例えば「人間関係」が理由なら職場を変えるだけで改善するかもしれませんし、
「給料」なら高収入が狙える訪問リハや急性期への転職が有効です。
キャリアプランを考えておく


短期的な逃げだけでなく、
長期的にどう働きたいかを整理しておくことも大切です。
- 「管理職になりたい」
→ 認定OTや専門OTを目指す - 「臨床に集中したい」
→ 回復期や訪問リハが向いている - 「ワークライフバランスを優先したい」
→ 老健やデイケアで安定勤務
「辞めた先にどんな未来を作りたいのか」
を考えることで、転職の軸がブレにくくなります。
転職エージェントに相談する


精神的に追い詰められているときに一人で転職活動を進めるのは大変です。
そんなときは転職エージェントに相談するのがおすすめです。
- 条件に合う非公開求人を紹介してくれる
- 面接対策や条件交渉を代行してくれる
- 客観的にキャリアの方向性を整理してもらえる
安心して相談できる第三者がいるだけで、
転職活動の負担は大きく減ります。
無料登録できるおすすめ転職サイト3選


転職活動を始めるなら、
複数の転職サイトに登録して情報を比較するのが鉄則です。
- レバウェルリハビリ:訪問リハ・高給与求人に強い
- PTOT人材バンク:求人数が業界トップクラス
- PTOTSTワーカー:地域密着で細かい条件に対応
いずれも無料で登録でき、
担当者との相性を比べながら使い分けるのがおすすめです。
まとめ|作業療法士を辞めたいとうつで悩んでいるあなたへ


作業療法士の仕事はやりがいがある一方で、
- 人間関係
- 業務量
- 給料
- 理想と現実のギャップ
に悩み、うつ状態にまで追い込まれる方も少なくありません。
作業療法士を辞めたいと感じるのは珍しいことではなく、私自身も同じ経験をしました。
そのときに気づいたのは「自分の人生は仕事より大切」だということ。
職場を変えるだけで、
驚くほど気持ちが楽になる場合もあります。



まずは休む、環境を変える、そして転職エージェントに相談する。その一歩があなたを守ってくれます。


参考・引用元: