
毎日がつらい…



自分に向いてないかも
作業療法士として1年目を迎えたあなたが、そう感じるのは決して珍しいことではありません。
新人OTの多くが、理想とのギャップや人間関係、業務の重さに苦しみ、辞めたい気持ちを抱えています。
この記事では、
現役OT管理職の立場から、1年目で辞めたくなる原因や判断の基準、周囲に相談できないときの考え方まで丁寧に解説します。
あなたの「辞めたい」は、心のSOSかもしれません。



無理に頑張らず、いま立ち止まってもいい理由を一緒に探していきましょう。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
- 2回の転職で年収250万Up
- 面接対策・転職ノウハウ情報を発信
- @yuzu_ot_reha) (
作業療法士1年目で辞めたい…その気持ちは甘えじゃない
作業療法士として1年目。
国家試験に合格して、ようやく臨床に立ったばかりなのに「もう辞めたい」と感じてしまう。
そんな自分を「甘えてるのかな」「根性がないのかも」と責めていませんか?



でも、断言します。その気持ちは甘えでも、弱さでもありません。
新人が辞めたくなるのには、ちゃんと理由があります。
多くの新人OTが抱える“通る道”でもあるのです。
新卒1年目は誰でもしんどい
国家試験を乗り越えて現場に出た瞬間、
- 「こんなにできないなんて思わなかった」
- 「学校で学んだことと違いすぎる」
と感じるのは、多くの新卒OTが経験する“壁”です。
知識はあっても、臨床現場では即戦力として期待される。
患者さんやご家族とのやり取り、先輩からの指導、予想以上の責任の重さ。
どれもが初めてで、緊張とプレッシャーの連続。



1年目の苦しさは「慣れていないから当然」なんです。
OT特有の業務や人間関係に戸惑うのは当然
作業療法士という職種は、「答えが一つではない支援」を求められる専門職です。
他職種と連携しながら、個別性を考え、評価し、計画を立てて実施する。
それだけに、
- 「正解がわからない不安」
- 「他職種からの見られ方」
- 「先輩OTのやり方との違いに戸惑う」
といった精神的ストレスを感じやすいのが特徴です。
さらに、医師・看護師・PT・STなど、多職種との関係構築にも神経を使います。
新人OTがそこで迷ったり、疲れたりするのは、ごく自然な反応なのです。
辞めたい=逃げではなく、立ち止まる合図
「辞めたい」と思う自分を否定するのではなく、
「今の自分にとって何がしんどいのか」を言語化することが大切です。
- 体力的な負担なのか
- 精神的に追い詰められているのか
- 人間関係に悩んでいるのか
- 将来への不安が強いのか
辞めたいという感情は、“心からのサイン”であり、自分を守るための反応です。



それを受け止めるところからしか、次の一歩は始まりません。
辞めたくなる原因はどこにある?よくある5つの壁
1年目の作業療法士が辞めたいと感じる原因は、決して“特別な自分の弱さ”ではありません。
むしろ、ほとんどの新人が直面する“5つの壁”が背景にあるのです。
- 理想と現実のギャップに苦しむ
- 先輩・上司との関係がつらい
- 患者対応への自信が持てない
- 業務量と責任のプレッシャー
- 同期や他職種との比較で自己否定
順番に整理して、自分の「しんどさ」がどこにあるのかを見つめ直してみましょう。
理想と現実のギャップに苦しむ
学生時代には、患者さん一人ひとりと丁寧に関わり、目標に向かって支援を重ねていく。
そんな理想を思い描いていた人も多いはずです。
しかし、現場に出ると現実は違います。
- 時間に追われて1単位こなすのが精一杯
- 「評価が合ってるか」ばかり気になって落ち着いて関われない
- 結果がすぐに出ない焦りで自分を責めてしまう
このギャップが大きいと、「自分には向いていないのかもしれない」と感じる原因になります。
先輩・上司との関係がつらい
どれだけ優しい職場でも、新人が“見られている”と感じる緊張感は避けられません。
さらに、以下のような悩みがあると辞めたい気持ちは強くなります。
- 指導が厳しすぎる、または放任で不安
- 質問しづらい雰囲気で孤立してしまう
- ミスをしたときの叱責がきつく自信を失う
実際、「OTを辞めたい理由が上司の存在だった」というケースは非常に多いです。
人間関係がしんどいだけで、本当は仕事自体は嫌いじゃない。
そんな方も多いので、



「辞めたい理由=環境のせい」かもしれないと視点を変えることも大切です。
患者対応への自信が持てない
1年目のうちは、



何を聞いても返せない…



急な変化に対応できない
と感じることが多いです。
特に以下のような経験は、自己否定につながりやすくなります。
- 質問されて答えられずフリーズしてしまう
- 「何でこのアプローチを選んだの?」と問われて答えに詰まる
- 利用者から「あなた新人でしょ」と言われて落ち込む
でも、それが普通です。
新人にとって、不安なく自信を持って対応できる場面の方が少ないのです。



必要なのは、今できない自分を否定しない“視点の切り替え”です。
業務量と責任のプレッシャー
「午前中は5人、午後も4人、合間に記録とカンファ…」
と、新人でもすぐにスケジュールがパンパンになってしまうのがリハビリ職の現実です。
- 時間に追われて記録が後回しになり、残業続き
- 一つひとつの業務に時間がかかり、評価が追いつかない
- 「この人を担当する責任」に押しつぶされそうになる
こうした日常が続くと、「まだ1年目なのにもう限界」と感じて当然です。



業務の質よりも“量”で自分を評価してしまう傾向がある人ほど、要注意です。
同期や他職種との比較で自己否定
周りと比べて落ち込んでしまうのも、1年目に多い悩みの一つです。
- 同期がどんどん患者を担当していて焦る
- 他職種の新人と比べて「OTはきつい」と感じてしまう
- SNSや勉強会で“できる同期”を見て落ち込む
この“比較のループ”に入ってしまうと、
「1年目は比べないことが一番の強さ」
これは、私が新人を何人も見てきて痛感していることです。
辞めてもいい?続けた方がいい?判断する3つの視点
ここでは、これまで多くの新人OTを見てきた管理職としての経験から、辞める・辞めないを判断する3つの視点をご紹介します。
- 心と身体の健康を守れているか
- 「あと半年」の視点で考えられるか
- 相談できる人や味方はいるか
無理に結論を急がず、いったん立ち止まって考える材料にしてください。
心と身体の健康を守れているか
まず一番大事なのは、あなた自身が健康でいられているかどうかです。
- 朝起きるのがつらい、涙が止まらない
- ご飯が食べられない、眠れない
- 頭が真っ白になる瞬間がある
- 通勤中に「消えてしまいたい」と思った
こうしたサインがある場合、それは「もう限界に近い」というSOSです。
この状態で無理に続けても、身体も心も壊れてしまう可能性が高いです。



健康を崩すくらいなら、仕事を手放した方がいい
それが、管理職として心から伝えたいメッセージです。
「あと半年」の視点で考えられるか
今すぐの辞職ではなく、「あと半年続けたらどうなりそうか」という仮の視点で考えてみましょう。
- 少しだけ患者さんとの関係が築けてきた
- 自分の仕事のスタイルが見え始めた
- 先輩の対応に慣れてきた部分がある
そんな兆しがあれば、「もう少しで乗り越えられる壁」かもしれません。
逆に、「半年後も何も変わる気がしない」と感じるのであれば、その直感は意外と正確だったりします。
無理に期限を決める必要はありませんが、未来の自分をイメージすることが、判断材料になります。
相談できる人や味方はいるか
辞める・続けるの分かれ道になるのが、「誰かに相談できているかどうか」です。
- 同期や仲の良い先輩が話を聞いてくれる
- 配属変更や業務調整を提案してくれる上司がいる
- 家族や友人が理解を示してくれる
こうした“味方”の存在は、思っている以上に大きな支えになります。
逆に、
孤立しているときは判断力が極端に落ちてしまうため、どんなに小さなことでも、まずは言葉にして誰かに伝えることが大切です。
「辞めたいんです」と言えなくても、「最近ちょっとつらいです」でも十分。



その一言が、あなたを守ってくれる第一歩になります。
OT管理職の本音|新人が辞めたくなるのはどんなとき?
現場を預かる管理職として、「これは本当に辞めてもいい」と思うパターンには共通点があります。
- 明らかに環境がブラックな場合
- 誰にも相談できず孤立している場合
- 本人の努力だけでは改善できない場合
ここでは、実際の現場感も交えながら、「辞めるべき時のサイン」としての3つのケースをご紹介します。
明らかに環境がブラックな場合
これはもう迷わなくていいレベルのケースです。
どんなに頑張っても、環境そのものが悪ければ心身をすり減らすだけです。
具体的には、
- 連日残業で記録も家に持ち帰る
- 有給は申請できる雰囲気すらない
- パワハラ・モラハラまがいの指導
- 離職率が極端に高い(新人が毎年辞めている)
こういった「構造的に人を潰す職場」では、個人の努力では何も変わりません。
あなたが悪いのではなく、職場環境に問題があります。



私も在宅リハでパワハラにあいました。できるだけ早く離れるのが正解です。
誰にも相談できず孤立している場合
辞めたくなる気持ちは誰でも持ちますが、相談相手がいないまま心に溜め込み続ける状態は危険です。
管理職としても、「本人が何を考えているのか分からない」となると、サポートのしようがなくなってしまいます。
- 指導が厳しすぎて話しかけられない
- 同期がいなくて、雑談すらできない
- プライベートでも誰にも話せていない
こうした孤立状態にある新人ほど、ある日突然「辞めます」と限界を迎える傾向があります。
もしあなたが今そうなら、まずは一言「つらい」と誰かに伝えてください。



それができれば、サポートは必ず動きます。
本人の努力だけでは改善できない場合
「もうちょっと頑張ればなんとかなる」
そう思って踏ん張る新人は多いです。
でも、制度・配置・人員体制など、“そもそも無理ゲー”な状況があることも事実です。
- 一人で15人担当、カンファも初めから1人で対応
- 指導者がいない、マニュアルもない
- 配属先が特殊すぎて相談できる人がいない
こんな状態で「続けろ」という方が無責任です。
本人が悪いのではなく、組織が人を育てる仕組みを持っていないだけです。
転職も選択肢。辞めたい気持ちを抱え込まないで
作業療法士として1年目。
「まだ早すぎる」「甘えだと思われるんじゃないか」と、心の中で何度も迷っている人は少なくありません。



辞めること=失敗ではありません。
ここでは、もし本当に限界を感じているなら、「転職」という選択肢をどう前向きに捉えていけばいいかをご紹介します。
キャリアの見直しは早すぎることはない
1年目で転職を考えるなんて…と思うかもしれませんが、むしろ早い段階で自分の適性や働き方を見直すことは賢い選択です。
- 今の職場の価値観と合わない
- 本当は回復期より生活期に興味がある
- 地域リハや福祉分野の方が向いていそう
こんな気づきは、現場に出たからこそ見えてくる“リアルな自分像”です。



最初の職場が「一生の場所」である必要はありません。


1年目でも相談していい理由
「転職エージェントに相談するのは、もっと経験を積んでから」
そう思っていませんか?
でも実際は、新人のうちに相談することで、ミスマッチを最小限に抑えられるというメリットがあります。
- 今の悩みを言語化できる
- 他の職場環境との比較ができる
- 「辞めなくてもいい方法」が見えることもある
エージェントは「すぐ転職させる」ことが目的ではありません。



あなたの話を聞き、一緒に選択肢を整理してくれる伴走者になってくれます。
OT専門転職サービスを味方にする方法
作業療法士は専門性の高い職種なので、
一般的な転職サイトではなく、PT・OT専門の転職サービスを活用するのが鉄則です。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
PTOTSTワーカー | 新卒・若手に強く、地域密着型の職場情報が豊富 |
レバウェルリハビリ | LINE相談対応あり。若手に寄り添うサポートが好評 |
PTOT人材バンク | 経験の浅い方への提案が丁寧で口コミも◎ |
「辞めたい」けど「どこに行けばいいか分からない」
そんなときこそ、自分のキャリアを客観的に見てくれる存在が必要です。


まとめ|辞めたいと思ったあなたへ、まずは一度深呼吸を


作業療法士として1年目で辞めたくなるのは、決して珍しいことではありません。
むしろ、それだけ真剣に仕事と向き合っている証拠です。
理想と現実のギャップ、慣れない人間関係、評価に追われる毎日。



つらさの理由は、人それぞれ違って当たり前です。
だからこそ、今の状況を冷静に見つめて、自分にとってベストな道を考えてみてください。
もし誰にも相談できずに悩んでいるなら、作業療法士専門の転職サイトを一度頼ってみるのもおすすめです。
「自分らしい働き方」は、きっと見つかります。



焦らず、あなたのペースで進んでいきましょう。

