
訪問リハビリは給料が高いらしい
と聞いて興味を持った作業療法士の方も多いのではないでしょうか。
実際に、病院や施設よりも給与水準が高いケースは多く、
求人を見て驚く方も少なくありません。
しかし、なぜ高いのか、
その背景を知らないまま転職してしまうと「思っていたのと違った」と感じることも。
この記事では、訪問リハの給料が高い理由を分かりやすく解説しつつ、
向いている人・向いていない人の特徴まで掘り下げて紹介します。
- 「収入アップを狙いたい」
- 「でも自分に合っているか不安」



そんな方にこそ、ぜひ読んでほしい内容です。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
- 2回の転職で年収250万Up
- 面接対策・転職ノウハウを発信
- @yuzu_ot_reha) (
訪問リハビリの給料が高いのはなぜ?
「訪問リハビリは病院よりも給料が高い」
と言われる背景には、業界特有の仕組みと働き方があります。
- インセンティブ制度で収入が上がりやすい
- 設備費や運営コストが少ない
- ベテランが多く給与水準が高い
ここでは、訪問リハが高収入につながりやすい3つの理由を解説します。
インセンティブ制度で収入が上がりやすい
訪問リハビリの多くは、出来高制(歩合制)を採用しています。
つまり、訪問件数に応じて給料が変動する仕組みです。
1日の訪問件数 | 月給目安(目安) |
---|---|
4件/日 | 約25〜28万円 |
6件/日 | 約30〜35万円 |
8件/日 | 約38〜45万円 |
件数をこなせばこなすほど給与は上がるため、
やる気次第で高収入が見込めるのが最大のメリットです。
特に、
設備費や運営コストが少ない
訪問リハビリは、
病院や老健と比べて固定設備や維持コストが抑えられる傾向にあります。
- 治療室やリハビリ機器が不要
- 光熱費や備品費も最小限
- 建物のメンテナンス費用も低い
これにより、運営費の一部を人件費に還元しやすい構造となっています。



結果として、リハ職に高い給与を設定できる事業所が多くなるのです。
ベテランが多く給与水準が高い
訪問リハの現場では、
ある程度の経験年数やスキルを求められるため、ベテランOTが多く集まる傾向にあります。
自然と給与相場も高めに設定されるのです。
- 中途採用で経験者を優遇
- 研修費よりも報酬での還元を重視
- 賃金交渉が通りやすい
訪問業界では「新人育成」よりも「即戦力確保」が優先されやすいため、
給与水準が比較的高くなりやすい傾向があります。
給料だけで決めない!訪問リハの注意点3つ
訪問リハビリは確かに給料が高い傾向にありますが、
「給料が高い=楽」とは限りません。
- 訪問件数に左右されやすい給与体系
- 自己管理・一人作業の比重が大きい
- 職場選びによって待遇の差が大きい
ここでは、実際に働くうえで注意したい3つのポイントを紹介します。
訪問件数に左右されやすい給与体系
訪問リハの収入は、訪問件数に応じた出来高制が基本です。
件数が減れば、当然収入も減少します。
影響を受ける要因
- 利用者のキャンセル・入院
- 自分の体調不良・休暇取得
- 事業所の契約数の少なさ
つまり、「頑張って働けば稼げるけど、不安定な一面もある」というのが実情です。
月によって収入に波が出やすいため、



固定給に安心感を持っている方は注意が必要です。
自己管理・一人作業の比重が大きい
訪問リハは、基本的に単独での業務が中心です。
自分で時間・スケジュール・移動をすべて管理する必要があります。
必要とされるスキル
- 地図・訪問ルートの把握
- 利用者宅での判断力・対応力
- イレギュラー対応(不在、急変 など)
病院や施設のように「誰かにすぐ相談できる環境」ではないため、
ある程度の自律性や責任感が求められます。
職場選びによって待遇の差が大きい
訪問リハは事業所によって方針や給与体系が異なるため、
職場選びが給与にも働きやすさにも直結します。
項目 | A事業所 | B事業所 |
---|---|---|
基本給 | 23万円 | 28万円 |
インセンティブ | 訪問5件目から加算 | 1件目から加算 |
訪問エリア | 狭く移動少ない | 広域で移動多い |
教育体制 | なし | 週1回のOJTあり |
このように、「訪問=高給」と一括りにはできないのが実情です。



見学・面接時にしっかり確認することが大切です。


訪問リハに向いている人の特徴
訪問リハビリは、自由度が高く、
やりがいを感じやすい反面、個人の特性が成果やストレスに直結しやすい働き方です。
- 自分でスケジュール管理ができる
- 一人での判断にある程度自信がある
- 生活に密着した支援にやりがいを感じる
ここでは、実際に訪問リハで活躍している方に共通する特徴を紹介します。
自分でスケジュール管理ができる
訪問リハは、1日のスケジュールを自分で組み立てる力が重要です。
訪問時間・移動・記録・休憩などを自分で調整できる人は非常に適応しやすいです。
活かせる力
- タイムマネジメントが得意
- 優先順位の整理ができる
- 無駄なく動く工夫ができる
誰かに指示されるのではなく、自分で動くことが苦ではない人にとって、



訪問リハは自由度の高い働き方として魅力的です。
一人での判断にある程度自信がある
訪問中は他スタッフが近くにいないため、
利用者の状態を見てその場で判断する力が求められます。
よくある場面
- 「今日は調子が悪そう」と判断して内容を変更
- 「段差が危ない」と気づき福祉用具を提案
- 「ご家族の様子が気になる」と相談支援へつなぐ
迷ったときにすぐ相談できない場面もあるため、



状況判断にある程度の自信がある人は訪問向きです
生活に密着した支援にやりがいを感じる
訪問リハの最大の魅力は、
利用者の“リアルな生活”に直接関われることです。
やりがいを感じる瞬間
- トイレ動作の改善で自信を持てた
- 家族から「最近笑顔が増えた」と言われた
- 外出支援で地域とのつながりが戻った
病院では見えない“生活の全体像”を把握しながら支援できる点に、
深いやりがいを感じられる人は非常に向いています。
訪問リハに向いていない人の特徴
訪問リハビリは自由度が高い反面、
ストレスや不安を感じやすい場面もあります。



以下に該当する方は、慎重に検討するのがおすすめです。
環境の変化や一人作業が苦手
訪問リハでは、日によって訪問先や対応内容が変わることが日常です。
また、基本的に単独での訪問になるため、
職場内のにぎやかさや仲間との連携を重視する人には不向きかもしれません。
向いていない人
- 同じ場所・同じ仕事の繰り返しが安心できる
- 一人での対応に強いストレスを感じやすい
- 周囲のサポートがないと不安になりやすい
環境の変化がストレスになるタイプの方には、
訪問の“動きの多さ”が負担になる場合があります。
トラブルや急変時に強い不安を感じる
訪問リハでは、現場での判断を求められる場面が必ずあります。
例えば、利用者の体調急変、家族とのトラブル、
住環境の危険性などに対して即座に対応が必要です。
よくある不安
- 何かあったとき、どうすればいいか分からない
- 責任をひとりで背負うのが怖い
- 緊急時に冷静に対応できるか自信がない
もちろん、フォロー体制が整っている職場もありますが、



「一人で現場に立つこと自体がストレス」という方には向かない働き方です。
自動車運転に不安がある・好きではない
訪問リハでは、車の運転が日常業務の一部です。
こんな方は注意
- 運転が苦手・ペーパードライバー
- 渋滞や駐車が大きなストレスになる
- 運転中に集中力が続きにくい
訪問リハの移動時間は1日に1~2時間に及ぶこともあり、



運転が苦手だと業務全体に影響するため、事前に十分な確認が必要です。
迷ったらどうする?訪問リハ転職の判断ポイント
「訪問リハの給料は魅力的。でも自分に合っているかは不安…」
そんな方のために、
転職の判断に役立つ3つの視点をご紹介します。
給料と仕事内容のバランスを整理する
まず大切なのは、給与の高さだけで判断しないことです。
インセンティブ制度は魅力的ですが、
「訪問件数に追われて疲弊した」という声も聞かれます。
チェックポイント
- 自分が希望する月収は現実的か?
- その収入に見合う働き方か?
- 責任や負担のバランスはどうか?
給与明細だけでなく、
一度見学や面談で現場を知ってみる
訪問リハに不安がある場合は、
実際に職場見学や面談を通して現場を体験することをおすすめします。
見学で見ておくべき点
- 1日の訪問件数とスケジュール
- スタッフの雰囲気や年齢層
- 記録方法や教育体制の有無
見学を通して、
- 「想像よりも合いそう」
- 「やっぱり難しそう」
と自分の感覚で判断できるようになります。


転職サイトを活用して選択肢を増やす
訪問リハへの転職を考えるなら、
業界に強い転職サイトの活用が非常に有効です。
自分で探すだけでは見つからない情報や、条件交渉のサポートも受けられます。
活用メリット
- 求人票には載っていないリアルな職場情報
- 希望条件に近い職場を効率的に比較
- 見学・面接の段取りまで任せられる
転職は人生の大きな選択です。


まとめ|訪問リハビリは給料が高い。でも向き不向きを見極めよう


訪問リハビリは、病院勤務と比べて給与が高い傾向にあります。
しかし、給料の高さだけを見て転職を決めるのは要注意です。
件数による変動、1人対応の多さ、職場による待遇の差など、
働く前に知っておきたい注意点も多くあります。
また、自分に向いているかどうかの見極めはとても重要です。
生活支援にやりがいを感じ、
自律的に動ける人にはぴったりの環境ですが、孤独感や不安を強く感じやすい方には合わないことも。
迷った場合は、まずは見学や相談を通して、
リアルな現場を知ることから始めましょう。



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