
「このままじゃ生活できないかも」



そんな不安、感じたことありませんか?
作業療法士として頑張っているのに、給料が少なくて貯金もできず、趣味にお金を使う余裕もない。
友人との付き合いを我慢したり、毎月の家計を切り詰めたり…。
私も若手の頃は、何度も「辞めたい」と思ったことがあります。
本記事では、
✅作業療法士の収入のリアル
✅辞めたくなる理由
✅年収を上げるためにできること
✅セカンドキャリアとしての他業種転職
までを、現役OT管理職の視点で正直に解説します。
「生活を立て直したい」、「このままじゃ将来が不安」



そう思っているあなたにこそ読んでほしい1記事です。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
- 2回の転職で年収250万Up
- 面接対策・転職ノウハウ情報を発信
- @yuzu_ot_reha) (
作業療法士は生活できない?リアルな収入の実態



OTになったのに、こんなに年収低いと思わなかった
そんな声を、私は新人から何度も聞いてきました。
- OTの初任給と手取りの平均
- 生活費と収支が合わない月の現実
- 他職種との年収比較で見えるギャップ
ここでは、OTの収入がどのような構造になっているのか、管理職OTの視点から正直に解説します。
OTの初任給と手取りの平均


厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、作業療法士の平均月収(初任給)はおよそ20〜22万円前後。
ここから、社会保険料・税金などが引かれると、実質の手取りは16〜18万円台になるケースが多いです。
1年目はまだ住宅手当や家族手当も少なく、
- 家賃:6〜8万円
- 食費・日用品:3〜4万円
- 通勤や通信費など:1〜2万円
といった支出だけで、手取りの大半が消える生活になります。
生活費と収支が合わない月の現実
ボーナス月以外、貯金どころか赤字ギリギリという新人OTは少なくありません。
特に一人暮らしで実家のサポートがない場合、
- 飲み会に行けない
- 美容にお金をかけられない
- 勉強会や書籍代が痛手になる
といった状況に追い込まれ、「生活が回らない」という感覚に直結します。
中には、
「同級生は月に5万貯金してる」
「歯医者すら行くのを迷ってる」
といった悩みを抱える人もいます。
他職種との年収比較で見えるギャップ
- 保育士:年収 約370万円
- 看護師:年収 約490万円
- 作業療法士:年収 約420万円
一見、OTも悪くないように見えますが、問題は昇給スピードと初任給の低さ、そして残業代の不透明さです。
また、勤務先による年収差が非常に大きいのもOTの特徴です。
- 大病院(公務員的な給与体系) → 安定+福利厚生あり
- 介護施設・デイ → 昇給がほぼない or 年1,000円レベル
- クリニック → 高めの給与だが福利厚生は脆弱
この差が積もって、



OTとして同じ働き方をしているのに生活感が全然違う
という状態が生まれます。
「やりがい」だけでは乗り越えられない理由
「患者さんの笑顔が原動力です」
もちろん、それは嘘ではありません。
でも、“やりがい搾取”という言葉があるように、生活に困窮しながら働く状態を美談にしてはいけません。
生活できないほどの収入で頑張り続ければ、
- 体力だけでなく心も消耗する
- OTという仕事自体が嫌いになってしまう
- 結婚や出産、将来の選択肢を狭めてしまう
といった、取り返しのつかない代償につながる可能性があります。
辞めたいと思うのは当然?よくある3つの不安
収入が少ないことで生まれる不安は、
- お金そのものの問題
- 自信や人間関係
- 人生設計
そのものに影響を及ぼします。
ここでは、作業療法士が「辞めたい」と感じるときに、多くの人が抱える3つの不安を取り上げていきます。
将来に希望が持てない
もっとも多いのが、「このまま働き続けて未来が変わるのか分からない」という不安です。
- 昇給が年数千円単位で、5年後も生活が変わる気がしない
- 年収が300万円台のままで、結婚や住宅購入のイメージが湧かない
- 自分の頑張りが給料に反映されない
こうした気持ちが積もっていくと、「何のために働いているのか分からない」状態に陥りやすくなります。
OTは国家資格を持った専門職なのに、
それに見合う報酬が得られないという現実が、やりがいをかき消し、将来への希望を奪ってしまうのです。
趣味や交際費が削られて楽しみがない
日々の生活に必要な支出を優先すると、「好きなことにお金を使えない」現実に直面します。
- 趣味の旅行やライブに行けない
- 同僚との飲み会を断り続けて孤立感が強まる
- 自分だけ質素な生活をしているようで惨めに感じる
お金に余裕がないことで、ストレスを解消する手段さえ失われていくのです。



仕事のために生きているのか、生活のために我慢して働いているのか
そんな疑問が心に残り、やがて「辞めたい」という気持ちにつながっていきます。
周囲と比べて自己嫌悪が強くなる
友人・恋人・家族….
自分と同年代の人が別の業界で活躍していたり、収入が高かったりすると、つい比べて落ち込んでしまうのが人間です。
- 他の職種の友人は毎年昇給して、ボーナスも2倍
- SNSでキラキラした生活を送っている同期を見てモヤモヤ
- 「医療職なのにこんなにお金がないのは自分だけ?」と思ってしまう
こうした比較からくる自己否定は、メンタルをじわじわ削ります。
自分を責め続けることで、「辞めたい」気持ちはさらに強くなってしまいます。
それでもOT辞めない人の生活戦略とは?
実は、同じ作業療法士でも“生活が成り立っている人”と“ギリギリの人”には、明確な差があります。
それは単に給料の差だけでなく、生活の設計のしかたや“稼ぎ方”の工夫に違いがあるのです。
- 家賃・支出の見直しで生活設計を変える
- 副業やバイトで収入を補う人も多い
- 職場選びで年収に差が出る現実
ここでは、私が実際に見てきた「辞めずに続けている人たちの生活戦略」を紹介します。
家賃・支出の見直しで生活設計を変える
一番現実的で即効性があるのは、「固定費の見直し」です。
- 職場の近くに引っ越して通勤費をカット
- シェアハウスや実家暮らしで家賃を抑える
- 格安スマホやサブスクの見直しで月数千円の削減
家賃や通信費などの固定支出を抑えるだけで、月1〜3万円の余裕が生まれるケースもあります。
その分を「貯金」「交際費」「自己投資」に回すことで、精神的にもゆとりが持てるようになります。



生活を変えるのは「収入を増やす」だけではなく、「支出を最適化する」ことも重要です。
副業やバイトで収入を補う人も多い
最近は、副業OKの職場も増えてきています。
実際に、作業療法士として働きながら、副収入で生活を補っている人も珍しくありません。
たとえば、
- 土日だけデイサービスの非常勤バイト(月2〜3万円)
- ブログやライターなど在宅副業(月1〜5万円)
- メルカリで不用品を販売して臨時収入を得る
月に数万円でも収入が増えると、精神的な安心感がまるで違います。
「本業では上がらない収入」を自分で作れる感覚が持てると、「もうちょっと頑張ってみようかな」と思える瞬間も増えてきます。


職場選びで年収に差が出る現実
最も見落とされがちですが、「どこで働くか」によって年収は大きく変わります。
同じOTでも、以下のような違いがあります
勤務先 | 初年度年収 | 福利厚生 | 昇給幅 |
---|---|---|---|
総合病院(公務員系) | 約380〜420万円 | 安定して厚い | 年5,000〜10,000円 |
デイサービス | 約320〜360万円 | 手当少なめ | 昇給ほぼなし |
クリニック | 約400万円前後 | 福利厚生にバラつき | 手当で調整されることも |
※病院・施設により差あり
求人情報を広く見ていくと、同じ地域・同じ業務内容でも年収に50万円以上の差があることも。
今の職場で年収が伸びないと感じるなら、転職を前提に情報収集することも“生活防衛”の一手になります。
転職で生活は変えられる?管理職OTが語る現実
今の収入や将来に不安を感じている作業療法士にとって、転職は現実的な選択肢の一つです。
- 年収アップにつながる職場の特徴
- 本当に年収を伸ばしたいなら見るべき数字
- 「辞めたい」が「変えたい」に変わった人たち
ここでは実際に、
年収アップや働き方の改善につながった転職例や、転職の際に見るべきポイントを、現役管理職OTの視点からリアルにお伝えします。
年収アップにつながる職場の特徴
「転職で年収が上がる人」と「結局変わらなかった人」には、選ぶ職場に明確な傾向の差があります。
年収アップが期待できる職場には、次のような特徴があります。
- 診療報酬点数の高い領域
- 固定給+インセンティブ制度がある
- 公務員系や大手医療法人の病院・老健
逆に、昇給がほぼ望めないのは以下のような職場
- 小規模のデイサービス
- 新設クリニック
- 人員不足で常に回している現場
「好きだから続ける」職場と、「生活を守るために選ぶ」職場は違う。



この線引きを意識することで、現実的な選択ができるようになります。
本当に年収を伸ばしたいなら見るべき数字
年収アップを狙うなら、「月給だけ」を見るのは危険です。
以下の項目を含めて、年収ベースで冷静に比較することが大切です。
比較項目 | 見るべきポイント |
---|---|
基本給 | 年齢・経験に見合っているか |
各種手当 | 資格手当、住宅手当、皆勤手当などの有無 |
賞与(ボーナス) | 支給回数・前年実績(2回で3ヶ月以上が目安) |
昇給幅 | 年間の昇給額、昇給の頻度 |
残業代 | 固定残業か、実績で支給か |
特に「月給25万!」と書いてあっても、
賞与がゼロだったり、昇給が年1,000円程度だったりすれば、年収にすると結局今と変わらないというケースもあります。



求人票の読み方を間違えないことも、生活を変える転職に欠かせない視点です。
「辞めたい」が「変えたい」に変わった人たち
私は管理職として、
多くのOTが転職を経て「辞めたい」から「キャリアを変えたい」へ意識をシフトさせていく様子を見てきました。
- デイから訪問リハに転職し、月5万円以上アップ
- 福利厚生が手厚い法人に転職して将来の安心感が持てた
- 通勤時間を短縮して、家賃とストレスの両方を削減できた
こういった変化は、「勢いで辞める」のではなく、情報を集めて冷静に環境を選んだ人ほど成功しています。
大切なのは、「辞めたい=逃げ」ではなく、「変えたい=前に進む選択」だということを理解することです。


作業療法士から他業種へ|年収を上げるセカンドキャリア
資格職だからこそ、“転職=資格を活かさなきゃ”という固定観念が強くなりがちです。
しかし、実はOTのスキルや経験は、福祉・行政・一般企業でも広く活かされる場面があります。
- 公務員として安定収入を得る道
- 市役所職員として地域福祉に関わる
- 一般企業で営業・人事などへ転職する例
- リハビリ専門の転職サイトに登録して視野を広げる
ここでは、年収アップを視野に入れたセカンドキャリアとしての3つの方向性と、視野を広げるための第一歩をご紹介します。
公務員として安定収入を得る道
もっとも人気のあるセカンドキャリアのひとつが地方公務員です。
社会福祉職・障害福祉職・保健師的役割など、OTのバックグラウンドを活かせる採用枠も存在します。
- 地域包括支援センター職員
- 障害者支援課の相談支援員
- 教育委員会や発達支援系の専門員
公務員の魅力は、安定した昇給と福利厚生、退職金制度が整っていること。
年収ベースでは医療職より少し低いこともありますが、将来設計のしやすさという点では圧倒的な安心感があります。



「年収を上げたい」というより、「収入を安定させたい」人に特におすすめです。


市役所職員として地域福祉に関わる
作業療法士の専門性を活かして、地域の高齢者・障害者支援に関わる仕事をしたい方に向いているのが市役所勤務です。
- 介護予防事業の企画・運営
- 地域リハビリ推進業務
- 特定高齢者へのアプローチ
OTとしての視点を活かして“地域全体を支える”役割に就くことができます。
一方で、正規採用枠は狭く、会計年度任用職員(非常勤)や嘱託職員からのスタートが多いです。
ただ、地域との接点を広げながら安定収入を得られる道としては、十分現実的なキャリアといえるでしょう。


一般企業で営業・人事などへ転職する例
OTのスキルは意外にも「対人スキル」「観察力」「調整力」などのビジネススキルとしても強みになります。
実際に転職が多い業種
- 医療・介護機器メーカーの営業
- 人材紹介会社のキャリアアドバイザー
- 福祉系スタートアップや教育系企業の広報・企画職
これらの職種は成果主義の傾向があるため、頑張り次第で年収600万円以上を目指すことも可能です。
- 「医療現場には限界を感じた」
- 「もっと成長できる場に挑戦したい」
そんな人には、企業転職が大きなターニングポイントになるかもしれません。


リハビリ専門の転職サイトに登録して視野を広げる
他業種へのキャリアチェンジを考えるうえで、情報収集は命綱です。
特にリハビリ職に強い転職サイトでは、OTの専門性を理解したキャリアアドバイザーが在籍しており、他業種への転職支援にも対応しています。
サービス名 | 特徴 |
---|---|
PTOTSTワーカー | 公務員系や企業案件の紹介実績もあり |
レバウェルリハビリ | LINEで気軽に相談可能、非公開求人が豊富 |
PTOT人材バンク | 他職種転職や異業種転職にも柔軟に対応 |
「今の職場に限界を感じているけど、何から始めればいいか分からない」
そんなときこそ、



自分ひとりで抱え込まず、プロと一緒にキャリアを整理することが第一歩になります。


まとめ|作業療法士が生活できないと感じたときの選択肢


OTの給与水準や昇給の遅さは現実として存在し、「やりがい」だけでは続けられないのも当然のことです。
でも、辞める前に
- 「どう生活を立て直すか」
- 「本当に年収を伸ばせる環境はあるか」
を考える選択肢もあります。
転職によって年収が上がる人もいれば、支出の見直しや副業で安定を得ている人もいます。
さらに、他業種へのセカンドキャリアとして、公務員や企業職への道を選ぶ人も増えています。
まずは一人で抱え込まず、リハビリ職に特化した転職サイトなどで情報を集めてみるのも一つの方法です。



今より生活が楽になる道は、きっとある
と信じて、一歩を踏み出してみてください。

