
履歴書の志望動機、何を書けばいいのか分からない…
そんな悩みを抱える作業療法士の方は、実はとても多いです。
特に転職時は、“この人を面接に呼ぶかどうか”を志望動機の内容だけで判断されることも少なくありません。
この記事では、
現役OT管理職としての採用経験をもとに、通過率を高める志望動機の書き方とNGなパターンを本音で解説します。
さらに、急性期・回復期・老健・訪問・デイケアなど、分野別の通過例文も紹介。
- 「どんな風に書けばいいか分からない」
- 「例文が欲しい」



そんな方に、読みながら書ける構成でお届けします。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
- 2回の転職で年収250万Up
- 面接対策・転職ノウハウ情報を発信
- @yuzu_ot_reha) (
作業療法士の転職では履歴書の志望動機が超重要
履歴書の志望動機欄は、ただの形式ではありません。
- 書類だけで“切られる”現実を知っておこう
- 志望動機は「どう貢献できるか」が伝わるかが勝負
- 管理職として見てきた“通る書類・落ちる書類”の差
転職活動において、あなたが“面接に進めるかどうか”を左右する非常に重要なポイントです。
書類だけで“切られる”現実を知っておこう
作業療法士の転職で求人倍率が高い職場では、すべての応募者が面接に進めるわけではありません。
書類の時点で、ある程度ふるいにかけられているのが現実です。
特に志望動機は、
- 本気でうちを志望しているか
- 仕事内容を理解しているか
- 一緒に働くイメージがわくか
といった点を確認される、“熱意と相性”を測るパートです。



ここが弱いと、いくら経歴があっても通過は難しくなります。
志望動機は「どう貢献できるか」が伝わるかが勝負
多くの人が「私はこうしたい」「こうなりたい」という自分目線で書いてしまいがちです。
しかし、採用担当が見たいのは、
「この人が来たら、どんな風にチームに貢献してくれるのか」という未来のイメージです。
- これまでの経験をどう活かせるか
- なぜこの職場を選んだのか
- どんな役割を果たしたいと思っているか
これらが具体的に、簡潔に、読みやすく書かれているかが、通過率を大きく左右します。
管理職として見てきた“通る書類・落ちる書類”の差
採用担当としてこれまで何十通も履歴書を見てきましたが、
通る志望動機にはいくつかの共通点があり、逆に落ちる履歴書も特徴がはっきりしています。
◎通る履歴書
- 経験と志望理由に一貫性がある
- 職場の特色に触れている
- 読んで「この人と話してみたい」と思わせる
×落ちる履歴書
- どの職場にも出せそうなテンプレ内容
- ふんわりした抽象表現ばかり
- 「なぜここ?」に対する答えがない
この記事では、こうした実体験をもとに、NG表現・通る書き方・具体例文を丁寧に解説していきます。


志望動機で使ってはいけないNGワードと例
履歴書の志望動機欄に、“気持ちは分かるけれど通らない言葉”が多く使われているのが実情です。
- 抽象的すぎる表現は刺さらない
- 「患者様のために」だけでは弱い
- どこにでも出せるテンプレはすぐ見抜かれる
ここでは、実際によく見かけるNGワードと、その理由、避けるための視点を具体的に解説していきます。
抽象的すぎる表現は刺さらない
「患者様に寄り添いたい」「地域に貢献したい」
これらは悪い言葉ではありませんが、誰にでも当てはまりすぎて印象が残りません。
たとえば下記のような表現はNGです
NGフレーズ | なぜNGか |
---|---|
患者様一人ひとりに寄り添った支援をしたい | どこでも通用する表現で内容が薄い |
地域医療に貢献したい | その職場でなくても成り立ってしまう |
チーム医療に携わりたい | “どう携わるか”が説明されていない |
こうした表現を使うと、採用側から「この人はうちでなくてもいいのでは?」と思われてしまうリスクがあります。
「患者様のために」だけでは弱い
もちろん、患者様を大切にする気持ちは重要です。
しかし、転職という“応募の場面”では、気持ちだけでなく「どう行動できるか」まで見られています。
たとえば、
- 「患者様のために何ができるのか」
- 「それを実現するためにどんな経験をしてきたのか」
- 「その経験が、応募先でどう活かせるのか」
ここまで書けて初めて、“行動につながる志望動機”として評価されます。
どこにでも出せるテンプレはすぐ見抜かれる
以下のようなテンプレートを少し変えただけの志望動機は、採用側の目にはすぐ分かります。
「〇〇という理念に共感し、〇〇な環境で働きたいと考えております。」
こういった文は、
- なぜその理念に共感したのか?
- どんな経験と結びつくのか?
- どうその環境で貢献したいのか?
という



“深掘り”がないまま書かれていることがほとんどです。
📝 ポイントまとめ
- 志望動機は“誰でも書ける内容”を避けよう
- 感情だけでなく“具体的な行動・経験”を盛り込む
- 読み手が「この人、うちで働く理由があるな」と納得できる構成にする
【分野別】転職成功者の志望動機|例文5つ
履歴書の志望動機は、テンプレではなく“職場の分野に合わせた言葉選び”が重要です。
- 急性期リハを受ける人におすすめ例文
- 回復期リハを受ける人におすすめ例文
- 老健リハを受ける人におすすめ例文
- 訪問リハビリを受ける人におすすめ例文
- デイケアを受ける人におすすめ例文
ここでは、分野別におすすめの志望動機例文をご紹介します。
急性期リハを受ける人におすすめ例文
想定ケース:回復期から急性期への転職(20代後半・女性)
回復期病院での経験を通じて、リスク管理と多職種連携の重要性を学びました。今後はより早期の段階からADL改善に関わりたいと考え、貴院の急性期リハビリテーションに魅力を感じました。特に、ICUからの早期介入に力を入れておられる点に惹かれ、これまでの知識と対応力を活かしていきたいと考えております。
✔ ポイント
- 「なぜ急性期か」が明確
- 貢献できる内容に具体性あり
- 職場の特色に触れている
回復期リハを受ける人におすすめ例文
想定ケース:老健から回復期病院へ(30代前半・男性)
前職では老健にて生活期のリハビリに携わってきましたが、より機能回復に焦点を当てたリハを学びたく、回復期への転職を決意しました。チームで生活再構築を支援する貴院の取り組みに共感し、MTDLPの活用経験や家屋評価の知見をもとに、患者様の自立支援に貢献したいと考えております。
✔ ポイント
- キャリアチェンジの理由が前向き
- 回復期の特性と自分の経験を接続
- 評価法への言及で専門性も伝わる
老健を受ける人におすすめ例文
想定ケース:通所・外来リハから老健へ(40代・女性)
通所・外来での経験を通じて、「在宅での生活を支える視点」の重要性を実感しました。老健での勤務では、ご利用者様のQOL向上や在宅復帰支援に関わることができると感じ、志望いたしました。生活環境の工夫や家族支援にも力を入れてきた経験を活かし、包括的なリハビリを提供したいと考えております。
✔ ポイント
- 分野転換の動機が明確
- 老健リハの特性を理解している
- 過去の経験を丁寧につなげている
訪問リハビリを受ける人におすすめ例文
想定ケース:回復期から訪問へ(30代・男性)
回復期での退院支援に携わる中で、「退院後の生活にリハがどう影響するか」をもっと深く知りたいと思うようになりました。貴ステーションでは在宅支援と生活環境へのアプローチに力を入れておられると伺い、OTとしての視野を広げられると感じました。これまでの退院支援の経験を活かし、安全で質の高い訪問リハを提供したいと考えております。
✔ ポイント
- 訪問への興味と視点が明確
- ステーションの特徴を調べて言及
- 経験と現場ニーズをつなげている
デイケアを受ける人におすすめ例文
想定ケース:病院勤務からデイケアへ(20代後半・女性)
病院勤務での経験を通して、退院後の社会参加や生きがい支援にも関心を持つようになりました。地域密着型の支援を重視されている貴事業所の理念に共感し、デイケアでの日常生活機能向上やコミュニティ支援に貢献したいと考えています。集団活動の経験やADL訓練の工夫を、利用者様に寄り添うかたちで活かしていきたいです。
✔ ポイント
- 環境や対象の変化に対する前向きな姿勢
- 理念への共感+経験をからめた内容
- 実践的な強みが明確に表現されている



📌 例文の活用ポイントです
- そのまま使わず、自分の経験・対象・価値観に合わせてアレンジする
- 志望先のHP・理念・特徴にしっかり触れると“響く”志望動機に
- 「だからここで働きたい」が明確であれば、経験年数に関係なく通過率は上がります
書き方に迷ったら使える“構成テンプレート”
履歴書の志望動機で悩んだとき、
一番効果的なのは「自分の想いを、論理的に伝える型(テンプレ)」を持っておくことです。
- 自己経験→志望理由→貢献提案の流れが鉄板
- 「私は~したい」より「私は~できる」の視点に
- 短すぎず、長すぎず、読みやすさを意識する
ここでは、誰でも使える王道テンプレートと3つのポイントをお伝えします。
自己経験→志望理由→貢献提案の流れが鉄板
まずは最もシンプルで効果的な構成です。
テンプレート構成
- 自己経験:「私はこれまで◯◯での経験を通じて〜」
- 志望理由:「◯◯な背景から、貴施設の◯◯に魅力を感じました」
- 貢献提案:「これまでの◯◯を活かし、◯◯に貢献できればと考えております」
📝 テンプレ使用例
私は急性期病院での経験を通じて、リスク管理と多職種連携の大切さを学びました。
在宅支援に力を入れておられる貴ステーションの方針に共感し、より生活に寄り添ったリハに関わりたいと考えました。これまでの知見を活かし、安全で継続的な支援に貢献していきたいと思っております。
「私は~したい」より「私は~できる」の視点に
NGになりやすいのが、「〜したい」「〜と思っています」ばかりの自己中心的な書き方です。



採用担当が見たいのは、「この人がうちで“できること”」です。
🔁 視点を変えるだけで印象が変わる例
悪い例 | よい例 |
---|---|
貴院で働きたいと思っています | ◯◯の経験を活かし、◯◯の場面で貢献できます |
幅広い経験を積みたいと考えています | ◯◯の経験から、〇〇の分野で力を発揮できます |
「したい」→「できる」へ書き換えるだけで、印象がグッと“採用される側”に近づきます。
短すぎず、長すぎず、読みやすさを意識する
志望動機の文字数は、200〜300文字程度がベストバランスです。
短すぎると熱意が伝わらず、長すぎると読みづらくなるため、以下を目安にしましょう。
📏 文字数の目安と印象:
文字数 | 印象 |
---|---|
100文字未満 | 情報不足/やる気が伝わらない |
200〜300文字 | 具体的・読みやすい・通過しやすい |
400文字超 | 冗長/要点が伝わりにくい |



書き終えたら音読して確認!読みやすさ・自然さ・リズムを整えるのに効果的です。
このテンプレをベースに、
「自分の経験」と「志望先の特徴」を組み合わせていけば、オリジナルで説得力のある志望動機が必ず書けるようになります。
まとめ|履歴書の志望動機で“会いたい人”になるために


作業療法士の転職では、履歴書の志望動機が“面接へ進めるか”を大きく左右します。
そのため、形式だけ整えるのではなく、
- 「なぜその職場で」
- 「何ができるのか」
を自分の言葉で伝えることが重要です。
NGな表現を避け、相手の立場を意識した構成に整えるだけで、印象は劇的に変わります。
実際に、同じ経験年数でも書き方ひとつで通過率に大きな差が出ているのを、採用現場で何度も見てきました。
例文を参考にしながら、自分の経験・価値観と丁寧に向き合ってみてください。
どうしても不安があるときは、
PTOTSTワーカーやレバウェルリハビリのような転職サポートを活用し、履歴書の添削を受けるのもおすすめです。
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準備に時間をかけるだけの価値が、そこにはあります。

