
履歴書の自己PRって、何を書けばいいんだろ….?
作業療法士として転職を考えるとき、必ず避けて通れないのが履歴書の「自己PR欄」です。
- どんな内容を書けばいいのか
- 抽象的になりすぎないか
- 採用担当に伝わるのか
と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
自己PRは単なる性格紹介の場ではなく、
「あなたが職場でどんな価値を発揮できるか」を採用側に伝える重要なポイントです。
書き方次第で書類選考の通過率は大きく変わり、面接への切符を手に入れられるかどうかに直結します。
この記事では、管理職として採用に携わる作業療法士の視点から、
履歴書の自己PRの正しい書き方とNG例、さらに急性期・回復期・新人・ブランク明けなど状況別の例文を紹介します。



最後まで読むことで、転職に強い履歴書が完成し、採用担当に「会ってみたい」と思わせる自己PRが書けるようになるはずです。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
- 2回の転職で年収250万Up
- 面接対策・転職ノウハウ情報を発信
作業療法士の履歴書で自己PRが重要な理由


作業療法士の履歴書における自己PRは、
採用担当が「この人と一緒に働きたい」と思えるかどうかを判断する大きな要素です。
ここでは、その重要性を4つの視点から解説していきます。
採用担当が最も重視するポイント


履歴書の自己PRで採用担当が注目するのは、経歴や資格だけではありません。
- 「どのような姿勢で仕事に取り組んできたのか」
- 「職場のチームにどう貢献できそうか」
が重視されます。
特に医療現場では、
例えば同じ3年の臨床経験があっても、「整形外科を担当していました」だけでは印象に残りません。
しかし、
「整形外科での早期離床支援において、看護師と情報共有を密に行い、合併症予防に取り組んできました」
と具体的に書けば、採用担当は「この人は現場で活躍できる」とイメージできます。



自己PRは、採用側に「未来の職場にどう貢献してくれるか」を想像させるための材料なのです。
人柄と仕事姿勢を伝える意義


作業療法士はリハビリ専門職でありながら、患者・利用者や多職種と密接に関わる仕事です。
そのため「人柄」と「仕事への姿勢」が履歴書の段階から重視されます。
採用担当が知りたいのは「どのような性格か」ではなく、
「その人柄がどのように仕事に活かされるのか」という点です。
例えば「明るい性格」と書くよりも、
「明るい性格を活かして、初対面の患者さまにも安心してもらえる関係づくりをしてきた」と伝えれば、働く姿勢が伝わりやすくなります。
転職で書類通過率を左右する要素
転職活動において履歴書は最初の関門です。
多くの応募者の中で「会ってみたい」と思わせる自己PRが書けているかどうかで、面接に進めるかどうかが決まります。
実際に医療系人材サービスの調査でも、
「履歴書の自己PRに具体性がないと書類通過率は著しく下がる」というデータが報告されています。
逆に具体的な成果や行動を交えた自己PRは、短い文章でも強い印象を残すことができます。
つまり、
自己PRは転職の「通過率」を大きく左右するカギと言えるのです。
作業療法士特有の評価基準


最後に意識すべきなのが、作業療法士ならではの評価基準です。
リハビリ職は、
- 「利用者中心の支援」
- 「多職種連携」
- 「継続的な改善への姿勢」
といった観点が特に重要視されます。
例えば、
- 急性期では「早期離床やリスク管理の経験」
- 回復期では「ADL改善や家屋調査を通じた生活支援」
- 訪問リハでは「ご家族との関わり」
などが強みとして伝わります。
応募先の職場に合わせて、
こうした特性を盛り込むことで、採用担当に「この人は現場にフィットする」と思わせることができます。
作業療法士の履歴書で自己PRに多い失敗例5つ


自己PRは採用担当にアピールする大切な欄ですが、
作業療法士の履歴書では意外と多くの人が同じ失敗を繰り返しています。
ここでは、実際によく見られる5つの失敗例を紹介し、それぞれ改善の方向性を解説します。
性格だけをアピールしてしまう


「私は明るく誰とでもすぐに打ち解けられる性格です」
といった自己PRは、一見すると好印象に思えますが、採用担当にとっては物足りません。
性格は大切ですが、
それが「仕事でどのように活かされるか」を書かないと、評価にはつながらないのです。
改善方法としては「性格 × 行動 × 結果」のセットで表現することが有効です。
例
明るい性格を活かして初対面の患者さまの緊張を和らげ、積極的に訓練に参加していただけるようになった
という形にすると、職場での貢献が具体的に伝わります。
抽象的な表現に終始してしまう
- 「協調性がある」
- 「向上心がある」
といった抽象的な表現もよく見られますが、これでは採用担当の心に残りません。
誰にでも当てはまる表現だからです。
改善策は「抽象表現を具体的な行動に言い換える」ことです。
例を挙げると、
・「協調性がある」
例
カンファレンスでOT視点を提案し、治療計画に反映された経験がある
・「向上心がある」
例
勤務外に高次脳機能障害の勉強会に参加し、事例発表を行った
このように置き換えることで、



「行動」と「結果」が見え、説得力が増します。
経験年数や業務内容だけを書く


「急性期病院で3年間勤務。主に整形外科を担当。」
といった書き方は、単なる経歴紹介に過ぎません。
これでは応募者の姿勢や強みが見えてこず、自己PRとしては弱いです。
自己PRでは「どんな経験をしてきたか」ではなく
「その経験から何を学び、どう活かしたか」を伝えることが重要です。
例
急性期での整形外科担当経験を通じて、早期離床に向けた多職種連携の重要性を学びました。特に術後患者の廃用予防に注力し、患者さまのADL改善につなげた経験があります
と書けば、採用担当は「実践力がある」と判断します。
具体的な成果や工夫が伝わらない


「患者さまのために寄り添った支援を心がけました」という表現は、
意欲は伝わるものの具体性に欠け、印象に残りません。
改善方法は「工夫と成果をセットで書く」ことです。
例
認知症の患者さまに合わせた説明方法を工夫した結果、理解が深まり、リハビリへの意欲が向上した
こうしたエピソードは採用担当にとって非常に分かりやすく、
あなたの姿勢がイメージとして浮かびやすくなります。
応募先に合わない内容になっている
自己PRでよくある失敗のひとつが、
応募する施設の特徴と全く関係のない強みを書いてしまうことです。
例えば、
応募先に合わせた自己PRを意識することが大切です。
- 急性期なら「スピード感と判断力」
- 回復期なら「生活再建の視点」
- 訪問リハなら「家族支援や在宅調整の経験」
といったように、
施設の特徴にマッチするエピソードを盛り込むと評価されやすくなります。
転職で通過率を上げる自己PRの書き方3ステップ


作業療法士が転職活動で履歴書の自己PRを書く際、
ただ経験を羅列するのでは不十分です。
採用担当に「会ってみたい」と思わせるには、
読みやすく論理的で、なおかつ応募先にマッチした内容に仕上げる必要があります。
ここでは、通過率を高めるための書き方を3つのステップで整理しました。
PREP法を使って論理的に構成する
自己PRを書くときに最も有効なフレームが「PREP法」です。
🧩 PREPとは
- P(Point)=結論
- R(Reason)=理由
- E(Example)=具体例
- P(Point)=もう一度結論
これに沿って書くと、読みやすく論理的な自己PRになります。
📝 使用例
私の強みは、多職種と円滑に連携しながら支援計画を立てられる点です(Point)。急性期病院では医師や看護師との情報共有が不可欠であり、その経験を通じて調整力を磨きました(Reason)。実際にカンファレンスでOTの視点を提案し、早期ADL改善につながった事例があります(Example)。この経験を活かし、今後もチームの一員として貢献したいと考えています(Point)。
PREP法を意識することで、
短い自己PRでも論理的にまとまり、採用担当に読みやすい印象を与えられます。
強み+根拠+貢献の流れを入れる
自己PRは「私はこういう人間です」で終わってはいけません。
採用側が知りたいのは「その強みを御院でどう活かせるのか」という点です。
基本のフレームは以下の通りです。
📝 フレーム:
- 自分の強み:「私は〇〇が得意です」
- 根拠となる経験:「なぜなら〇〇の経験があるからです」
- 貢献の視点:「だから、御院では〇〇に活かせると考えています」
例
私は高齢者との信頼関係構築が得意です。回復期病棟で認知症の方への関わりに工夫を重ね、継続的なリハ参加を実現してきました。この経験を地域密着型の貴施設で活かし、利用者さまとご家族の生活再建を支援したいと考えています。
この「貢献」まで書くことで、
採用担当は「うちでどう働く人なのか」をイメージでき、評価につながります。
短くても具体的なエピソードを入れる
自己PRは長ければ良いわけではありません。
大切なのは「印象に残るエピソード」を盛り込むことです。
派手な成果でなくても構いません。
日々の工夫や学びを具体的に描くことで、あなたの姿勢が伝わります。
📝 良いエピソードの条件
- 対象者の特徴や場面が想像できる
- 自分の工夫や姿勢が伝わる
- 結果・学びがある
例
対象者が麻痺によるADL低下に強い不安を感じていたため、段階的に成功体験を得られるよう訓練を設計しました。その結果、最終的に『一人でできた』という笑顔を見せてくださり、自己効力感の回復につながった経験があります。
このように、
エピソードがあると採用担当の記憶に残りやすく、信頼性も高まります。



自己PRを書く際は「強み+エピソード」をワンセットにしておくと安心です。
📌 書き方のポイントまとめ
書き方のコツ | 内容 |
---|---|
PREP法を使う | 構成が整い、読みやすくなる |
強み+根拠+貢献 | 「この人がうちで何をしてくれるか」が見える |
短くても具体的に書く | 印象に残りやすく、信頼につながる |
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OTに人気の転職サイト3選【例文付き】作業療法士の履歴書自己PRの参考パターン


自己PRの書き方は理解できても、
「実際にどう書けばいいのか分からない」という声は多いです。
ここでは急性期・回復期・新人・ブランク明けの4つのパターンに分けて、実際に通過した自己PRの例文を紹介します。
急性期経験をアピールした例文


急性期の現場ではスピード感や多職種連携が特に求められます。
履歴書の自己PRでも、その特徴をしっかり伝えることが大切です。
例文
急性期病院にて整形外科や脳血管疾患を中心に担当してきました。限られた日数の中でリスク管理と早期ADL改善を両立するため、医師や看護師との情報共有を欠かさず、日々のカンファレンスでも積極的に意見を出してきました。特に術後の早期離床支援や廃用予防に注力し、回復を加速させることができました。今後も急性期で培った判断力と対応力を活かし、貴院のリハビリ体制に貢献したいと考えています。
このように
- スピード感
- リスク管理
- 多職種連携
の要素を具体的に入れることで、急性期経験が魅力的に伝わります。
回復期・生活期で活かせる例文


回復期や生活期の現場では、
生活再建や在宅復帰への視点が重要になります。
応募先が老健や在宅系なら、この視点を盛り込むことが効果的です。
例文
「回復期病棟にてADL訓練や復職支援を中心にリハビリを行ってきました。退院前訪問や家屋調査を通じて、生活環境を踏まえたゴール設定を大切にしてきました。特に『自分らしい生活の再構築』を支援することにやりがいを感じており、ご家族への指導や他職種との連携にも積極的に取り組んできました。地域密着型の貴施設においても、生活者視点を持った作業療法士として貢献していきたいと考えています。
このように
- 生活再建
- 家屋調査
- 家族支援
といった具体的な活動を盛り込むことで、応募先の職場に合った自己PRになります。
新人・若手作業療法士の例文


経験が浅い場合でも、
前向きな姿勢や学習意欲をアピールすることで採用担当に好印象を与えることができます。
例文
新人として整形疾患を中心に経験を積み、対象者との信頼関係の大切さを学んできました。臨床経験はまだ浅いですが、記録や指導内容を必ず振り返り、分からないことは先輩に相談しながら着実に知識を深めています。特に対象者が『できた』と感じる瞬間に立ち会うことで、作業療法士としてのやりがいを強く実感しています。今後も学びを重ねながら、利用者さま一人ひとりに寄り添う支援をしていきたいと考えています。
このように、
- 未熟さを隠さない
- 学習意欲を示す
ことがポイントです。
これにより「伸びしろがある人材」と評価されやすくなります。
ブランク明け・復帰希望の例文


育児や介護などで一時的に現場を離れていた場合、
ブランクを前向きに表現することが大切です。
例文
育児によるブランクを経て、再び作業療法士として臨床に復帰したいと考えています。以前は回復期で勤務し、家屋調査、在宅復帰支援に携わってきました。ブランク中もオンライン研修や勉強会に参加し、現場感覚を取り戻す努力を続けてきました。復職後はこれまでの経験に加え、家庭で得た視点を活かし、利用者とご家族に寄り添った支援を大切にしていきたいと思います。
ブランクを「努力を続けてきた証拠」として前向きに伝えると、安心感と意欲をアピールできます。
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OTに人気の転職サイト3選履歴書の自己PRを仕上げる実践的チェックリスト


自己PRは一度書いただけでは完成しません。
内容がしっかり伝わるかどうかを確認し、必要に応じてブラッシュアップすることが大切です。
ここでは、作業療法士が転職活動で履歴書を仕上げる際に役立つチェックポイントを4つ紹介します。
声に出して読んでみる


書いた自己PRは、必ず声に出して読んでみましょう。
黙読では気づかない「くどさ」や「論理の飛躍」が、声にすると明らかになります。
例えば
「私の強みはコミュニケーション力です。患者さまと信頼関係を築きました。」
と書いた場合、声にすると単調で説得力に欠けると感じることがあります。
「信頼関係を築いた」という結果を補足する形で、
「退院後の生活を見据えた相談を行い、患者さまの不安が軽減した」
といった具体的な成果を加えると、より自然で伝わりやすくなります。



声に出すことで「採用担当に話しかけているような自己PR」になり、読み手に届きやすい文章に整えられます。
同僚や第三者に確認してもらう


自己PRは、自分では「分かりやすく書いたつもり」でも、
他人から見ると伝わりにくいことがあります。
信頼できる同僚や友人に読んでもらい、
- 具体性があるか
- 強みが伝わるか
をフィードバックしてもらいましょう。
特に作業療法士の現場経験がある人に見てもらうと、
「応募先の現場に合った表現かどうか」が分かりやすいです。
例えば、
「多職種連携を大切にした」と書いた場合、同僚から「もっと実際のカンファレンスや患者事例を入れた方がいい」と具体的なアドバイスを得られることがあります。
第三者視点を入れることで、説得力のある自己PRに近づけます。
専門の転職サイトで添削を受ける


さらに確実にブラッシュアップしたいなら、
リハ職専門の転職サイトでの添削サービスを活用しましょう。
- レバウェルリハビリ
- PTOT人材バンク
- PTOTSTワーカー
などでは、履歴書や自己PRの無料添削を行っており、
採用側の視点を踏まえた具体的な改善点を提示してもらえます。
特に転職活動では、
利用者の声でも「添削を受けて面接通過率が上がった」という報告が多く、実際に活用する価値は高いと言えます。



私も実際に利用して良かった経験があります
志望動機との一貫性を確認する


最後に必ず確認すべきなのが、志望動機との一貫性です。
自己PRと志望動機の方向性がバラバラだと、
「本当にこの人はうちに合うのか?」と採用担当に疑問を持たれてしまいます。
例えば、
自己PRで「急性期で培ったリスク管理力を活かしたい」と書いたのに、
志望動機では「地域密着で長期的に関わりたい」と書いてあると、一貫性がなく不自然に映ります。
この場合は、



どちらも「応募先に貢献できる強み」として整合性を持たせることが重要です。
まとめ|作業療法士の履歴書は自己PRが大事!


ここまで、作業療法士が転職で履歴書に自己PRを書くときのポイントを解説しました。
作業療法士の履歴書における自己PRは、ただの「性格紹介」ではありません。
採用担当が求めているのは、
- 「どのように仕事に向き合ってきたか」
- 「応募先でどのように貢献できるのか」
という姿勢です。
そのためには、PREP法を使って論理的にまとめたり、
強み+根拠+貢献を一貫して書くことが重要です。
さらに、急性期や回復期などキャリアに応じたエピソードを具体的に入れることで、採用担当の記憶に残る自己PRになります。
また、最終的なブラッシュアップには、
- レバウェルリハビリ
- PTOT人材バンク
- PTOTSTワーカー
といった専門転職サイトでの無料添削を利用すると効果的です。
第三者の客観的な視点を取り入れることで、通過率をさらに高められるでしょう。
自己PRは、経験の多さではなく「自分らしさをどう表現するか」が鍵です。



焦らず丁寧に仕上げることで、あなたの魅力が伝わり、転職活動を有利に進められるはずです。