【保存版】作業療法士が訪問リハから精神科へ転職する3つのメリットと成功の秘訣

そんな思いから、精神科への転職を考える訪問リハ出身の作業療法士も一定数存在します。

一方で、身体機能訓練が中心だった現場からの転職となると、

• 自分にできるのか
• スキルは通用するのか

といった不安もつきものです。

この記事では、訪問リハでの経験を活かしながら精神科へ転職する3つのメリットと、

転職を成功させるための注意点・秘訣を解説します。

訪問リハから精神科へ転職を考える理由とは

訪問リハでは、利用者の生活支援を通して多くの“人間的な関わり”が求められます。

その中で、身体だけでなく「心」にも寄り添いたいという気持ちが芽生えることは自然な流れです。

ここでは、訪問リハから精神科へ転職を検討する作業療法士に多い理由を紹介します。

精神的ケアに興味を持ち始めた

訪問リハでは、認知症の方やうつ傾向のある利用者、

孤独を抱えた高齢者など、精神面に課題を抱える方と関わる機会も多くあります。

• 身体面だけでは解決できないケースに出会う
• 心理的アプローチの重要性を感じるようになった
• “心に寄り添うリハビリ”に関心が芽生えた

「もっと深く心のケアに関わっていきたい」と思ったとき、精神科への転職は自然なステップになります。

利用者の内面への関わりを深めたい

訪問リハは、生活に密着した支援ができる反面、

短時間・限られた関わりの中で深い対話が難しいこともあります。

精神科では、言語的・非言語的コミュニケーションを通じて、利用者の価値観や感情に寄り添う支援が可能です。

• 対話中心のアプローチができる
• 作業を通じて自己表現や感情整理を支援できる
• 回復プロセスの“こころの変化”に関わるやりがい

「もっとじっくり人と向き合いたい」方にとって、精神科は適した環境です。

肉体的な負担が少ない働き方を求めている

訪問リハでは、移動や福祉用具の扱い、

ADL動作介助など身体的な負担が大きくなりやすい傾向があります。

精神科では、作業療法が集団活動や軽運動、

創作活動中心になることが多く、身体への負担が軽減されるケースが多いです。

• 体力的な消耗を抑えて長く働ける
• 落ち着いたペースで支援が進む
• 精神的負担への対処法を学ぶ機会も得られる

「無理なく働き続けたい」
「身体をいたわりたい」

という方にも、精神科は選択肢の一つになります。

訪問リハから精神科に転職する3つのメリット

訪問リハと精神科の現場は一見大きく異なりますが、

「人と向き合う」という根本の姿勢は共通しています。

ここでは、訪問リハでの経験を活かしつつ、精神科で働くことで得られる代表的な3つのメリットを紹介します。

精神的・心理的ケアに専門的に関われる

精神科の作業療法は、作業を通して心理的な安定や社会性の回復を目指す専門的な支援です。

訪問リハではアプローチしきれなかった

「こころの課題」に対して、より深く・継続的に関われるようになります。

• アート・クラフト・園芸・音楽などを通じた表現活動
• 集団プログラムによる他者交流の促進
• 不安や抑うつ、幻覚妄想などの症状への適切な対応方法を学べる

「精神疾患の方の力になりたい」と考える方にとって、

心身の負担が比較的軽く継続しやすい

精神科では、訓練内容が激しい身体介助を伴わないケースが多く、

移動や物理的な負担も少ないため、継続的に働きやすい環境です。

• 施設内勤務が中心で移動がない
• 身体介助が必要な場面が少ない
• 比較的落ち着いた時間の流れの中で支援できる

肉体的な消耗が少ないため、

長期的な関係性構築で信頼を深めやすい

精神科では、治療期間が長期にわたるケースが多く、

同じ対象者とじっくり関係を築くことができます。

その関係性の中で、利用者の小さな変化や心の成長に気づける喜びがあります。

• 継続的な関わりで信頼が深まる
• 心の回復過程を共に見守ることができる
• 安心できる存在としてのOTの価値を実感できる

訪問リハでの「信頼関係を大事にする姿勢」は、精神科でも確実に強みとして活かされます。

訪問リハから精神科に転職する際の注意点

精神科は独自の魅力がある一方で、

訪問リハとは環境・支援内容・役割の違いが明確なフィールドです。

転職を成功させるためには、そうしたギャップを事前に理解しておくことがとても重要です。

身体アプローチの比重が少なくなる

精神科では、作業や対話を中心とした支援がメインとなり、身体機能訓練の比重はかなり低くなります。

• ROMや筋トレなどの機能訓練はほぼ行わない
• ADL訓練よりも、日中活動・社会参加・情緒の安定が目的
• 身体的な改善にやりがいを感じるタイプには物足りなさがあるかも

「体を動かす支援が好き」という方は、

精神科特有の疾患理解と対応が求められる

うつ病、統合失調症、双極性障害、認知症など、精神科特有の病態理解が不可欠です。

また、症状の再燃や心理的な揺らぎに対して、適切に対応する力も求められます。

• 言葉の選び方や表情の出し方一つで相手の状態が変わる
• 否定や指示が逆効果になる場面もある
• 「何もせず、ただ傾聴する」ことの難しさを実感することも

精神科では、知識・技術よりも“態度”や“関係性”の構築が最重要です。

施設ごとの役割や業務内容に差が大きい

精神科と一口に言っても、

急性期・慢性期・認知症専門・社会復帰支援など、その内容は非常に多様です。

精神科の分類	特徴とOTの役割例
急性期病棟	病状の安定化／集団活動や安心できる環境の提供など
慢性期病棟	日中活動の継続支援／生活リズムの安定
認知症専門病棟	回想法・感覚刺激・安全な活動環境の構築など
地域移行支援・作業所系	社会復帰や就労支援、居場所づくりの支援

転職先の「精神科OTの役割」を事前に確認することが非常に重要です。

精神科への転職が向いている作業療法士の特徴

精神科作業療法は、「関係性を築く力」や「心に寄り添う姿勢」が強く求められる分野です。

ここでは、精神科で働くことに適性があるとされる作業療法士の特徴を紹介します。

自分自身の価値観や得意な支援スタイルと照らし合わせながら確認してみてください。

傾聴や対話が好き

精神科では、言葉や表情を通じて相手とつながる力が最も重要です。

訓練内容や成果よりも、「ただそばにいて話を聞くこと」に大きな意味があることもあります。

• 一方的に指導するのではなく、相手の話をじっくり聴ける
• 答えを与えるよりも、気づきを促すような関わりができる
• 沈黙を大切にし、急がない姿勢で支援ができる

会話や表情のやりとりを通じて“こころの動き”を感じ取りたい方には、非常に相性の良い分野です。

精神的な成長や回復過程に関心がある

精神科では、目に見える身体機能の改善よりも、

心の安定や自己肯定感の回復といった“内的な変化”が支援の中心です。

• 利用者の表情が柔らかくなった
• 周囲に感謝の気持ちを伝えられるようになった
• 集団活動に少しずつ参加できるようになった

数値では測れない小さな変化に気づき、

そこに価値を見出せる方は、精神科で大きなやりがいを感じられます。

落ち着いた環境でじっくり支援したい

訪問リハのような「限られた時間・移動の多さ」から離れ、

じっくり腰を据えて支援したい方にとって、精神科の職場環境は非常に魅力的です。

• 施設常勤でスケジュールが安定している
• 作業療法の時間がしっかり確保されている職場も多い
• 職員同士の連携やカンファレンスも充実

まとめ｜訪問経験を活かし、精神科で新たな専門性を磨く

訪問リハでは、利用者の生活や環境を深く理解し、柔軟な対応力を培ってきたことでしょう。

その経験は精神科においても、

「個別性のある関わり」や「信頼関係の構築」にしっかりと活かすことができます。

「身体支援だけでは見えなかった世界に踏み出したい」

そう感じたとき、精神科は新たな成長の舞台になります。