
訪問リハのスケジュール管理が大変



もっと落ち着いて利用者と関わりたい
そんな思いから、維持期への転職を視野に入れる作業療法士も少なくありません。
一方で、
- 医療スキルが落ちるのでは?
- 介護業務が中心になるのでは?
といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、訪問リハで得た経験を活かしながら、維持期へ転職する3つのメリットと2つのデメリットを徹底解説。



今後の働き方を見直したい作業療法士に向けて、現場目線でわかりやすくまとめています。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
- 2回の転職で年収250万Up
- 面接対策・転職ノウハウを発信
- @yuzu_ot_reha) (
訪問リハから維持期へ転職を考える理由とは
訪問リハは、利用者の生活に密着したやりがいのある現場です。
一方で、個人裁量が大きい分、業務の負担や緊張感も強く、
働き方そのものを見直したいと感じるタイミングもあるでしょう。
- 利用者との関係をじっくり築きたい
- 業務の安定性や働き方を見直したい
- 在宅支援から施設支援への視点転換を図りたい
ここでは、訪問リハから維持期(老健・特養・デイケア)へ転職を考えるきっかけとして多い理由を紹介します。
利用者との関係をじっくり築きたい
訪問リハでは、1回40〜60分程度の限られた時間内での支援となるため、
関係性を深める前に介入が終了するケースも多いです。
それに対し維持期では、
同じ利用者と長期的に関われることが多く、「じっくり向き合いたい」という思いに応えられます。
- 毎日・毎週の顔なじみとして信頼を築ける
- 経時的な変化に気づきやすく、継続的支援が可能
- 「寄り添う支援」が好きな人にとっては理想の環境
支援というより“人としての関係性”を重視したい人には、維持期は魅力ある選択肢です。
業務の安定性や働き方を見直したい
訪問リハは、移動や天候・利用者都合に左右されやすく、
スケジュールの変動がストレスになるケースもあります。
その点、維持期施設では勤務時間や訓練スケジュールが安定しており、生活リズムを整えたい人に向いています。
- 残業や急変対応が少ない
- 施設内での勤務が中心で、移動による負担がない
- 規則的な勤務体系でプライベートを保ちやすい
「家庭との両立がしたい」「将来も続けやすい職場に行きたい」という声に応える選択肢です。
在宅支援から施設支援への視点転換を図りたい
訪問リハでは、利用者の“自宅での生活”をベースに支援を展開します。
対して維持期では、
“施設での生活を支える視点”が求められ、支援のあり方も変わってきます。
- 多職種と協力して「生活の質」をどう高めるかを考える
- 食事・入浴・排泄といったADL全般に幅広く関わる
- 医療というより“生活支援”に重きを置く介入
訪問での経験を活かしつつ、



新たな環境で視野を広げたい人にとって、維持期は再出発の場となり得ます。
訪問リハから維持期に転職する3つのメリット
維持期は、急性期や回復期とは異なる「生活を支える」ことに特化したステージです。
訪問リハとの共通点も多い一方で、
施設ならではの働きやすさや支援スタイルの違いから、新たな満足感を得られる人も多くいます。
- 長期的に利用者と関われる
- 残業や急な対応が少なく働きやすい
- 心身の負担が少なく継続しやすい
ここでは、訪問リハから維持期へ転職することで得られる代表的な3つのメリットを紹介します。
長期的に利用者と関われる
訪問リハでは3か月〜半年で介入が終了するケースが多いのに対し、
維持期では数年単位で関わることも珍しくありません。
この長期的な関わりを通して、より深い信頼関係を築くことができます。
- 身体・精神面の変化を経時的に見守れる
- 小さな変化にも気づきやすく、介入の質が高まる
- 利用者の「生活の一部」として関わる実感が得られる
「長く寄り添いたい」「関係性を大切にしたい」作業療法士にとっては、非常にやりがいのある環境です。
残業や急な対応が少なく働きやすい
訪問リハでは、移動や急なキャンセル・体調不良対応などに追われる日もあります。
一方、維持期施設では、
1日ごとのスケジュールが比較的安定しており、心身の負担が軽減されます。
- 通勤先が1カ所で完結し、移動ストレスがない
- スケジュールがほぼ固定で、予測しやすい
- 残業や休日出勤が発生しにくい
「身体的な負担を減らして長く働きたい」方や、
「子育てや介護と両立したい」方にもおすすめです。
心身の負担が少なく継続しやすい
維持期では、医療的判断やリスク管理が比較的軽く、安全・安定した支援が可能な点も魅力です。
そのため、心にゆとりを持ちながら働きたい人にとって理想的な環境といえます。
- 精神的にプレッシャーが少ない
- 利用者との関係も穏やかで温かい雰囲気が多い
- 長期的に「働きやすい」と感じる人が多い
過度な緊張感から離れ、



“自分らしく支援したい”という希望を叶えやすい場が、維持期にはあります。
訪問リハから維持期に転職する2つのデメリット
維持期の現場には多くのメリットがありますが、
一方で注意しておくべきポイントもあります。
- 医療的スキル・判断力が衰えるリスク
- 介護業務との境界が曖昧になりやすい
転職前に“思っていたのと違った”とならないためにも、
デメリットや職場選びの注意点を把握しておくことが大切です。
医療的スキル・判断力が衰えるリスク
維持期では、医療介入の頻度が低く、
バイタル管理や急変対応の機会も少ないため、臨床スキルを維持しにくい面があります。
- 疾患管理やリスク予測に触れる機会が少ない
- 訓練内容がADL・レクリエーション中心になる傾向
- 医師との関わりも最低限のことが多い
医療職としての感覚を保ちたい人にとっては、



「物足りなさ」や「スキルが鈍るかも」という不安を感じやすい環境です。
介護業務との境界が曖昧になりやすい
施設によっては、
OT本来の業務と介護業務の線引きが曖昧になりがちで、モチベーション低下の原因になることもあります。
- 入浴介助や食事介助に入ることがある
- 曖昧な役割分担で「何でも屋」になりやすい
- 職場によってはOTの専門性が十分に理解されていない
就職前に職場見学を行い、
「OTの役割はどう定義されているか?」をしっかり確認することが重要です。


維持期への転職が向いている作業療法士の特徴
維持期は、リハビリ職の働き方のなかでも“じっくり支える”ことに重きを置いたフィールドです。
では、どんな作業療法士がこの領域で力を発揮しやすいのでしょうか?
- 安定した環境で長く働きたい
- 利用者の生活全体を支えたい
- 医療よりも人間関係重視の支援がしたい
ここでは、維持期への転職に適性があるタイプの特徴を紹介します。
安定した環境で長く働きたい
維持期は、急性期や訪問のような急変対応や多忙な移動が少なく、
穏やかで継続性のある働き方がしやすいのが特長です。
- 時間に追われすぎない日常的な業務
- ライフイベントとも両立しやすいスケジュール
- 肉体的・精神的に消耗しにくい
「この先も安心して長く働きたい」という方には、維持期の安定性は大きな魅力です。
利用者の生活全体を支えたい
維持期では、機能改善よりも“その人らしい生活を続ける”ための支援が主軸になります。
そのため、ADLだけでなく、QOLや社会参加への視点を持てる人が求められます。
- レクリエーションや趣味活動も支援対象
- 小さな変化や心理面にも目が行き届く
- 生活の質に寄り添った関わり方ができる
利用者と一緒に穏やかな時間を重ねるなかで、



「支える喜び」を感じられる方に向いています。
医療よりも人間関係重視の支援がしたい
維持期では、医療的な判断よりも“関係づくり”が重要視される場面が多くあります。
特に特養やデイケアでは、
スタッフ間のチームワークやコミュニケーションが支援の質を左右します。
- 会話や雰囲気づくりが得意
- 他職種と柔軟に関われる
- 介護職や家族ともフラットに関係を築ける
OTとしての“人間力”を活かしながら働きたい方にとって、維持期は自分の強みを発揮しやすい環境です。
まとめ|訪問リハの経験を土台に、維持期でじっくり支える働き方を


訪問リハで培った「生活の視点」や「在宅支援力」は、維持期でも確実に活かせるスキルです。
特に、利用者との長期的な関わりや、
“人と人”としての信頼関係を大切にしたい方にとって、維持期は最適なステージと言えるでしょう。
「今の働き方を続けていいのかな?」と感じたときこそ、
“自分らしく働けるフィールド”を見直す絶好のチャンスです。



訪問リハから維持期へ。その一歩が、より豊かなOT人生につながるかもしれません。
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