
履歴書に空白期間があると、やっぱり不利ですか?
作業療法士の転職相談で、実際に何度も聞かれる質問です。
確かに、何も書かずに“期間だけぽっかり空いている”履歴書は、採用側に不安を与えてしまいます。
でも大丈夫。
空白期間があっても、それを“どう伝えるか”で印象は大きく変わるのです。
この記事では、
現役OT管理職として採用に関わる立場から、
履歴書での空白期間の書き方・伝え方、そしてよくあるパターン別の例文まで丁寧に解説します。



伝え方を工夫するだけで、ブランクはマイナスではなく“信頼のポイント”にもなりますよ。


- OT歴15年以上、急性期OT
- 役職名は、係長
- 転職歴2回
- 回復期→在宅→急性期(現在)
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- @yuzu_ot_reha) (
作業療法士の転職で履歴書の空白期間は不利?
履歴書に空白期間があると、不安になる方は多いです。
ですが、実際の採用現場では“空白がある=不採用”という単純な判断はされていません。
空白期間よりも重視されるのは、その理由と伝え方、そして復帰後にどう働こうとしているか。
- 「空白=不採用」ではない理由
- 採用側が気にするのは“理由”より“姿勢”
- 管理職の視点から見た「伝え方の差」
ここでは、採用担当の視点から、履歴書に空白期間がある人が押さえておくべきポイントを解説します。
「空白=不採用」ではない理由
結論から言えば、空白期間があるだけで落とすことは、まずありません。
とくに医療・介護業界では、
- 出産や育児
- 家族の介護
- 体調不良による療養
- 転職活動や資格取得
など、キャリアが一時中断する事情が珍しくないことを採用側も理解しています。
問題になるのは、
- 「なぜその期間が空いていたのかが何も書かれていない」
- 「書いてある内容に信頼感が持てない」
などの場合です。
採用側が気にするのは“理由”より“姿勢”
管理職として採用面接をしていると、
空白期間そのものよりも、それをどんな言葉で説明しているか、その姿勢に注目することが多いです。
たとえば、こういう印象を受ける志望者は高評価になります。
- 「ブランクがあったけれど、◯◯を学んでいました」
- 「家族の介護をしながら、復職のタイミングを計っていました」
- 「今は勤務に支障がないよう、生活も整えています」
このように、過去だけでなく



“今とこれから”に視点が向いている説明は、前向きに受け取られやすいです。
管理職の視点から見た「伝え方の差」
実際の現場で感じる、履歴書で“通る人・落ちる人”の違いを挙げると以下のとおりです。
書類が通りやすい人 | 書類で落とされやすい人 |
---|---|
空白期間の理由が簡潔で誠実に書かれている | 空白についてまったく触れず曖昧な印象を与える |
復職への前向きな意欲や準備が伝わってくる | 「再発が心配」「また辞めるのでは」という不安を残す |
具体的な期間・経緯・状況が整っていて信頼できる | 記載があいまいで、話す内容と一致しないことがあ |
採用側が見ているのは、“ブランクの有無”よりも、
- 「この人と一緒に働くとどうか」
- 「信頼できる人か」
という将来性です。
履歴書に空白期間を書くときの基本ルール
空白期間があっても、それ自体が問題ではありません。
重要なのは、その期間をどう伝えるか、どう書き込むかという点です。
- 時系列と事実にズレがないかを確認
- 理由はシンプルかつ前向きに伝える
- 書きすぎ・言い訳すぎには注意
ここでは、押さえておきたい「書き方の3つのルール」を、採用する側の視点も交えてお伝えします。
時系列と事実にズレがないかを確認
空白期間のある履歴書でよく見かけるのが、職歴の年数や期間が実際とズレているケースです。
たとえば、
- 「2021年3月退職」と書いているのに、次の職歴が「2023年4月入職」
- 転職回数と書かれた職歴が合っていない
こういった矛盾は、採用担当にとって不信感のもとです。
📝 チェックポイント
- 年月表記は「年月」まで統一(例:2022年4月)
- 空白期間は「〇年〇月〜〇年〇月:◯◯のため休職」など補足記載
- 職歴と履歴書の内容が一致しているか、必ず見直す
履歴書は「誠実さの証明」として扱われます。



小さなズレや曖昧さが、大きなマイナスに見られることもあるので要注意です。
理由はシンプルかつ前向きに伝える
空白期間の理由を書くときは、「ごまかさず、言い訳せず、簡潔に」が鉄則です。
たとえば以下のような記載が好印象です。
空白期間の理由 | 例文(履歴書への記載) |
---|---|
体調不良 | 2022年5月〜2023年2月:体調不良により療養(現在は回復済) |
育児 | 2021年4月〜2022年3月:育児のため自宅にて子育てに専念 |
資格取得 | 2022年6月〜2023年3月:作業療法士国家試験再受験のため勉強 |
「前向きな理由」ではなくても構いません。
重要なのは、“回復した・解決した・復職に問題がない”ことが伝わる書き方です。
書きすぎ・言い訳すぎには注意
空白期間を正直に説明するのは大事ですが、細かく書きすぎるのも逆効果です。
たとえば、こういった記載は避けましょう
- 「家族の介護で精神的にも疲弊していたため…」
- 「就職活動をしていましたが、なかなか決まらず…」
- 「前職がブラックだったため心身ともに疲れて…」
こうした記載は、読む側に不安やネガティブな印象を与える可能性があります。
あくまで、


空白期間の伝え方【パターン別の例文あり】
空白期間の理由は人それぞれですが、履歴書に記載する際は共通のポイントがあります。
それは、簡潔・前向き・具体的であること。
- 療養・体調不良からの復職
- 家族の介護・育児を理由としたブランク
- 進学・資格取得による空白
- 転職活動中のブランク期間
ここでは、特によくある4つのケースについて、それぞれの伝え方と例文を紹介します。
療養・体調不良からの復職
体調不良やメンタル不調による療養で空白期間ができた場合、
- 「回復していること」
- 「勤務に支障がないこと」
を明記するのがポイントです。
📝 例文
2022年6月~2023年2月:体調不良のため療養しておりましたが、現在は医師の指導のもと回復しており、就業に支障はございません。



誠実さを保ちつつ、現在の健康状態を明記することで信頼感をアップ。
家族の介護・育児を理由としたブランク
介護や育児は、社会的にも理解されやすい理由です。
そのうえで、復職後の体制が整っていることを一文で伝えると安心されます。
📝 例文
2021年4月~2022年12月:親族の介護のため離職しておりましたが、現在は支援体制が整い、勤務に支障のない状況です。
2020年10月~2022年3月:育児に専念しておりましたが、子育てが一段落したため、復職を希望しております。



「今は働ける」という前向きな状況説明が大切です。
進学・資格取得による空白
このパターンはむしろ向上心や努力が評価されるケースも多く、安心して記載できます。
📝 例文
2022年4月~2023年3月:作業療法士国家試験の再受験に向け、学習に専念しておりました。
2021年4月~2022年3月:専門学校に通い、医療福祉系の資格取得を目指しておりました(〇〇資格を取得)。



学習意欲・再挑戦が伝わると、面接でも前向きに評価されやすいです。
転職活動中のブランク期間
長期の転職活動で空白期間がある場合、
- 「準備していたこと」
- 「得た気づき」
を添えると好印象です。
📝 例文
2023年1月~2023年8月:転職活動を継続しておりました。複数の職場を見学・検討し、自分の方向性を見つめ直した期間でした。
自主的に動いていたことを伝えると、



「真剣に職場を選んでいた」と受け止められやすいです。
📌 まとめ:伝え方で変わる印象の違い
パターン | NGな伝え方 | OKな伝え方 |
---|---|---|
療養 | 「体調を崩し、数ヶ月何もできずにいました」 | 「療養しておりましたが、現在は回復済みです」 |
介護・育児 | 「事情があって働けませんでした」 | 「介護に専念していましたが、体制が整いました」 |
資格取得 | 「再受験のため何もしていませんでした」 | 「資格取得のため勉強に専念しておりました」 |
転職活動 | 「長引いてしまい、焦っています」 | 「方向性を見つめ直す時間として活用しました」 |
面接で空白期間を聞かれたときの答え方
履歴書で空白期間に触れていても、面接で改めて聞かれるケースは少なくありません。
- 履歴書と一貫性をもたせるのがカギ
- ネガティブを無理にポジティブにしない
- 「何を学び、どう動いたか」を伝える
この章では、採用担当が納得しやすい伝え方のコツと、NGになりやすい答え方の違いを解説します。
履歴書と一貫性をもたせるのがカギ
もっとも大切なのは、履歴書に書いた内容と、面接での話に食い違いがないこと。
言い回しが違っても構いませんが、
伝えている「理由」と「現在の状況」が一致していないと、信頼を損ねます。
📝 例えばこんな一貫性が大切
- 履歴書:体調不良で療養(現在は回復済)
- 面接 :「療養中は静養に努め、医師から復職の許可も得ています」
一方、履歴書では「育児」としていたのに、
面接では「ブランク期間に少し働いていた」と言ってしまうと、疑念を持たれてしまう可能性があります。
ネガティブを無理にポジティブにしない
「なんとかポジティブに見せなきゃ」と思うあまり、
話を盛りすぎたり、妙に前向きすぎる説明をするのは逆効果です。
NGな例:
「空白期間中もずっとリハビリの最新情報を勉強していました!」



実態と合わないと、逆に嘘っぽく映ることがあります。
それよりも、事実を簡潔に伝えたうえで、今後どう働くかを話す方が誠実に映ります。
OKな例:
「家庭の事情でしばらく離職していましたが、現在はフルタイム勤務が可能で、環境も整っています」
「何を学び、どう動いたか」を伝える
たとえ空白期間でも、その期間を“自分の視点でどう捉えたか”を語れると印象が一気に変わります。
良い印象を与える答え方:
- 「改めて作業療法士としての働き方を見直す機会になりました」
- 「利用者視点での支援の大切さを、介護経験を通じて感じました」
- 「育児を通して“生活に寄り添う支援”の重要性を実感しました」
このように、“振り返り”や“気づき”を一言添えることで、
空白期間をマイナスではなく、成長の時間だったと位置づけることができます。


まとめ|空白期間があっても伝え方次第で信頼は得られる


作業療法士として転職を考える中で、履歴書の空白期間に悩む方は多いです。
けれど、採用の現場では「空白があるからNG」ではなく、“どう伝えられているか”を見ています。
- 履歴書:簡潔で誠実な理由説明と、復職への意欲を伝えることが大切。
- 面接:履歴書との一貫性を保ちつつ、これからどう働きたいかを語れると好印象。
空白期間は、人生の選択や努力の時間でもあります。
その背景を自分の言葉で整理することが、信頼につながる第一歩になります。
どうしても不安がある方は、
PTOTSTワーカーやレバウェルリハビリのような転職サポートに相談して、履歴書の添削や面接対策を受けてみるのもおすすめです。



空白を「不利」ではなく、「信頼を得る機会」に変えていきましょう。

